COPDの喀痰に対するOPEPと通常ケアのランダム化比較試験
2022年 08月 24日
OPEP(アカペラチョイス)は本当に普及しませんね。結構臨床試験でもいいデータがそろっているのに、COPDですすめようという動きもありませんね。日本で取り上げている医師って私くらいじゃないですか(笑)

Alghamdi SM, et al. Oscillatory positive expiratory pressure therapy in COPD (O-COPD): a randomised controlled trial. Thorax. 2022 Aug 10;thoraxjnl-2022-219077.
■OPEP治療(例:Acapella Choice, Smiths Medical, Minneapolis)デバイスは、COPDの喀痰クリアランスを促進することを目的としているが、エビデンスは限定的である。
■定期的に痰が出るCOPD患者において、OPEP療法が生活の質、咳や睡眠障害などの客観的指標に与える影響を評価することを目的とした。
■毎日またはほとんどの日に痰が出るという安定したCOPD患者を登録し、アカペラを3か月間使用する群と通常ケア群を比較する並行群間ランダム化比較試験をおこなった。主要アウトカムは、LCQを用いて測定した咳嗽関連QOLであった。副次的アウトカムには、疲労(FACITスコア)および一般的なQOL(EQ-5D)が含まれた。うち45例では、咳と睡眠中の障害・動きの客観的モニタリングも実施した。
■122例(61/61 OPEP/コントロール)が参加し、背景は女性40%、喫煙者17%、%FEV1 38%(25-56)、平均年齢62±10歳だった。103例が研究を完遂した(55/48 OPEP/コントロール)。OPEP使用はコントロール群と比較して、LCQ(平均差1.03、95%信頼区間0.71~2.10;p=0.03),FACITスコア(平均差4.68、95%信頼区間1.34~8.02;p<0.001),EQ-5D(平均差4.00、95%信頼区間0.49~19.75,p=0.04)の改善と関連していた。また、咳の回数も-60(-43~-95)回/24時間(p<0.001)と改善したが、睡眠障害に対する効果は確認されなかった。
by otowelt
| 2022-08-24 00:35
| 気管支喘息・COPD