COPD患者の喀痰におけるサイトカイン発現


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安定期およびAECOPDの両方で、サイトカインパターンに基づくCOPD患者のフェノタイプが分類される時代がくると、この研究が1つの指標になることは間違いないでしょう。



Barta I, et al. Sputum Cytokine Profiling in COPD: Comparison Between Stable Disease and Exacerbation. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2022 Aug 19;17:1897-1908.

  • 概要
■炎症性サイトカインは、COPDの病態に広く関与している。健常者、安定期のCOPD患者、入院を要する重症増悪(AECOPD)患者の喀痰中のサイトカイン発現を、mRNAおよびタンパク質のいずれもにおいて検討した。

■健常対照者19人、臨床的に安定したCOPD患者25人、AECOPD患者31人の喀痰を採取した。AECOPD患者においては、入院時、治療後退院時にサンプル採取を行った。喀痰は120種類のサイトカインを同時に検出するマイクロアレイで解析し、14種類のサイトカインのmRNA発現をreal-time PCR(qPCR)で検討した。

■プロテオミクス解析の結果、IL-6とgrowth-regulated oncogene(GRO)αが、安定期COPD患者と健常者の間で発現量の差がある唯一の喀痰サイトカインとして同定された。AECOPDの発症時には、いくつかのサイトカインが発現していた。AECOPDからの回復により喀痰中のサイトカインタンパク質プロファイルに有意な変化が観察されたが、安定したレベルに戻るには観察期間が不十分であった。qPCRによる遺伝子発現解析では、安定期に比べAECOPD患者でBMP-4が上昇し、IL-1α、MIG、BMP-6は減少していた。

■AECOPDの喀痰サイトカイン発現は安定型COPDとは異なっていた。AECOPDにおいて、タンパク質レベルの変化はmRNAレベルの遺伝子発現の変化と同期していなかった。AECOPDの急性期治療でほとんどのサイトカインレベルが安定しないという観察結果は、COPD増悪の影響が長引くことを示唆している。







by otowelt | 2022-09-18 00:25 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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