肺NTM症における栄養因子と重症度の関連

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北野病院からの報告です。肺NTM症と栄養に関する研究は多くないので、非常に貴重な報告と思います。

対照群の設定は、傾向スコアなどでマッチされたわけではない点は留意する必要があります。年齢・性別・身長の背景に差がないということは分かっている集団です。



Takayama Y, et al. Nutritional status in female patients with nontuberculous mycobacterial lung disease and its association with disease severity. BMC Pulm Med. 2022 Aug 15;22(1):315.

  • 概要
■女性では、細身の体型が肺NTM症の発症および予後不良因子の一つであることが報告されている。治療戦略に寄与する栄養学的データが不足していることから、我々は女性肺NTM症患者の栄養状態および重症度との関連性を明らかにすることを目的とした。

■単施設観察研究において、81名の肺NTM症の女性外来患者を登録した。また、過去の調査データから同年齢の健康な女性のデータを抽出し、コントロール群に分類した。肺NTM症群とコントロール群の間で、身体測定と食事調査のデータを比較した。次に、胸部X線画像所見スコアに基づいて肺NTM症を軽症群(n=40)と重症群(n=41)に分類し、身体組成、栄養摂取、生化学マーカーを各群で比較した。疾患の重症度に関連する栄養因子を同定するために、ロジスティック回帰分析を行った。

■コントロール群と比較して、肺NTM症患者はエネルギー摂取量、BMI、体脂肪、骨格筋量が有意に少なかった(すべてp<0.001)。軽症群に比べ、重症群は骨格筋量(p=0.037)、アルブミン(p=0.029)、トランスサイレチン(プレアルブミン)(p=0.002)、レチノール結合蛋白(p=0.011)、ヘモグロビン(p=0.001)が有意に低かったが、エネルギーや栄養摂取量の群間差は観察されなかった。

■ロジスティック解析の結果、トランスサイレチン(p = 0.025)およびヘモグロビン(p = 0.003)は、疾患の重症度に関連する独立因子であることが明らかにされた。





by otowelt | 2022-09-15 00:10 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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