S31/A5349試験事後解析:AIDS結核における2HPMZ+2HPM


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A5349試験の事後解析結果です。事前にAIDSは別に分けて検討されることとなっていました。モキシフロキサシンはCDCはMOXと記載しているので、個人的にもMOXで統一しています(MFLX、MOFX、MOXYなどいろいろな略語がある)。

CDCは現時点では肺外結核、小児(12歳未満)、低体重患者(40kg未満)、妊婦・授乳婦、QT延長者、にはHPMZレジメンは推奨していません。





  • 概要
■TB Trials Consortium Study 31/AIDS Clinical Trials Group A5349の国際無作為化オープンラベル第3相非劣性試験では、薬剤感受性肺結核(DS-PTB)の治療において、リファンピンをリファペンチンに、エタンブトールをモキシフロキサシンに代えた4か月連日投与法は標準の6か月投与法に比べて非劣性かつ安全性が示されたが、HIV感染者(PWH)については、事前に設定されたサブグループの結果を検討することとした。

■CD4陽性細胞数が100/μL以上のPWHは、エファビレンツベースのARTを受けているかこれから開始する人が対象となった。主要評価項目は、ランダム化後12か月間の結核無病生存率(有効性)および治療中のグレード3以上の有害事象(安全性)で、有効性の非劣性マージンは6.6%を用いて比較検討された。ランダム化は、部位、空洞、HIV感染状況によって層別化された。リファペンチンとエファビレンツの薬物間相互作用を慎重に評価するため、PWHは段階的に登録された。

■サハラ以南のアフリカ、アジア、アメリカ大陸の13か国から2,516人が登録された。微生物学的に適格とされた194人(8%)のPWHのうち、CD4陽性細胞数の中央値は344/μL(IQR223〜455)であった。RPT-MOXレジメンはコントロールに対して非劣性であった(不良転帰の絶対差 -7.4%[95%信頼区間-20.8%~+6.0%]); RPTレジメンはコントロールに対して非劣性ではなかった(+7.5%[95%信頼区間-7.3%~+22.4%] )。有害事象は、RPTベースのレジメンで15%と、コントロールのレジメン(21%)よりも少なかった。






by otowelt | 2022-09-04 00:24

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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