気管支洗浄液で結核菌の検出を狙うなら細径気管支鏡で
2022年 10月 06日
バーチャル気管支鏡+細径気管支鏡のほうが結核菌陽性率が高いというのは、意外でした。
地道なんですけど、ちゃんと前向きランダム化してCIDにアクセプトされているので、論文を書く側としても勇気がもらえますよね。実臨床に直結する論文、本当に大事だと思います。結核の治療開始も早まるというメリットまで検討されています。
Eom JS, et al. Bronchial washing using a thin versus a thick bronchoscope to diagnose pulmonary tuberculosis: A randomized trial. Clin Infect Dis. 2022 Sep 24;ciac789.
- 概要
■本研究は、肺結核(PTB)の診断に細径気管支鏡を使用する有効性を評価するために行ったものである。
■2019年3月から2021年11月にかけて、喀痰の抗酸菌(AFB)塗抹検査およびTB-PCR陰性であるか、喀痰が出せないPTB疑いの参加者を前向きに登録した。参加者は、対照群(胸部CTにより通常5.9 mmの気管支鏡を用いた気管支洗浄)と介入群(仮想気管支鏡ナビゲーション誘導下4.0 mm の細径気管支鏡を用いた気管支洗浄)にランダムに割り付けられた。
■2019年3月から2021年11月にかけて、喀痰の抗酸菌(AFB)塗抹検査およびTB-PCR陰性であるか、喀痰が出せないPTB疑いの参加者を前向きに登録した。参加者は、対照群(胸部CTにより通常5.9 mmの気管支鏡を用いた気管支洗浄)と介入群(仮想気管支鏡ナビゲーション誘導下4.0 mm の細径気管支鏡を用いた気管支洗浄)にランダムに割り付けられた。
■主要アウトカムは、洗浄液中の結核菌の検出であり,Xpert MTB/RIFによる陽性と定義した。副次的アウトカムは、AFB塗抹陽性および培養陽性、治療開始までの時間、気管支鏡に関連する合併症とした。
■合計85名が含まれた(対照群43名、介入群42名)。最終的にPTBと診断されたのはそれぞれ23人、29人であった。気管支洗浄液の結核菌検出率は介入群で高かった(72.4% vs. 43.5%, P = 0.035)。培養陽性率も介入群で高かった(79.3% vs. 52.2%, P = 0.038)。合併症のために気管支鏡検査の早期終了を必要とした参加者はいなかった。PTB を発症した参加者のうち、治療開始までの時間は介入群で短かった(中央値 2.0 日 vs. 4.0 日、P = 0.001)。
■合計85名が含まれた(対照群43名、介入群42名)。最終的にPTBと診断されたのはそれぞれ23人、29人であった。気管支洗浄液の結核菌検出率は介入群で高かった(72.4% vs. 43.5%, P = 0.035)。培養陽性率も介入群で高かった(79.3% vs. 52.2%, P = 0.038)。合併症のために気管支鏡検査の早期終了を必要とした参加者はいなかった。PTB を発症した参加者のうち、治療開始までの時間は介入群で短かった(中央値 2.0 日 vs. 4.0 日、P = 0.001)。
by otowelt
| 2022-10-06 00:06
| 気管支鏡