COPDGeneコホート:現喫煙は自殺・オーバードーズによる死亡リスクを上昇
2022年 11月 20日
うつ病を発症したCOPD患者さんは、自殺企図・オーバードーズのリスクが13.6倍・10.0倍高いとされています(Drugs Aging. 2022 May;39(5):323-332.)。特に、若年層では精神症状が与える影響が大きいことがわかっています。相乗的な負の作用があるとされています(Dan Med J. 2015 Oct;62(10):A5137.)。
さて、COPDGeneコホートからの報告です。
Adviento B, et al. Clinical Markers Associated with Risk of Suicide or Drug Overdose Among Heavy Smokers - A Longitudinal Follow-Up Study of the COPDGene Cohort. Chest. 2022 Sep 24;S0012-3692(22)03891-0.
- 概要
■COPDと喫煙は、自殺リスクの上昇と関連することが示されている。これまで、肺機能が正常な人から重症COPDまでのスペクトラムに沿った喫煙者の自殺リスクを評価した研究はない。
■COPDGeneコホート内の重喫煙者を扱った大規模コホートにおいて、どの臨床変数が自殺/オーバードーズによる死亡を予測するかどうか調べた。
■現在および過去の喫煙者を対象とした多施設共同前向きコホート研究であるCOPDGeneに参加した9,930人を調査した。死亡診断書,家族からの報告,診療記録を用いて,判定された死亡の主因を同定した。年齢、性別、人種、BMI、喫煙歴、現在の喫煙状況、気流制限(%予測1秒量)、呼吸困難(mMRC≧2)、6分間歩行距離、酸素使用、前年度の重症増悪を調整したCox回帰分析によって、自殺/オーバードーズによる死亡までの時間を主要アウトカムとして検討した。
■現在および過去の喫煙者を対象とした多施設共同前向きコホート研究であるCOPDGeneに参加した9,930人を調査した。死亡診断書,家族からの報告,診療記録を用いて,判定された死亡の主因を同定した。年齢、性別、人種、BMI、喫煙歴、現在の喫煙状況、気流制限(%予測1秒量)、呼吸困難(mMRC≧2)、6分間歩行距離、酸素使用、前年度の重症増悪を調整したCox回帰分析によって、自殺/オーバードーズによる死亡までの時間を主要アウトカムとして検討した。
■コホートは女性47%、黒人33%(白人67%),平均年齢59.6±9.0歳,%平均1秒量は76.1±25.5であった。63人が自殺/オーバードーズで死亡した。自殺/オーバードーズのリスクと関連する因子は、現喫煙(ハザード比6.44、95%信頼区間2.64-15.67)、鎮静/睡眠薬の使用(ハザード比2.33、95%信頼区間1.24-4.38)、呼吸困難(ハザード比2.23、95%信頼区間1.34-3.70)であった。低リスクの因子は、高齢(10歳ごとにハザード比0.45、95%信頼区間0.31-0.67)、高BMI(ハザード比0.95、95%信頼区間0.91-0.99)、アフリカ系アメリカ人種(ハザード比0.41、95%信頼区間0.23-0.74)だった。%予測1秒量は、自殺リスクと関連しなかった。
by otowelt
| 2022-11-20 00:19
| 気管支喘息・COPD