原因不明の喀血に占める高血圧者の割合
2022年 10月 19日
特発性喀血については喫煙との関連が指摘されていますが、収縮期高血圧と関連している可能性があるという報告です。この喀血1105例の報告では、原因が同定できた1042例のうち気管支拡張症が約4割となっています。
- 概要
■喀血は、救急受診においてよくみられる原因である。喀血の原因として全身性高血圧の役割に関するデータはほとんどない。この研究の目的は、高血圧と原因不明の喀血の関連性を評価することである。
■2011年1月から2021年6月までに喀血のため救急外来を受診し,胸部CT検査を受けた連続患者を対象とした後ろ向き研究である。救急受診時の収縮期血圧の詳細を、喀血原因が特定された群と特定されなかった群の2群間で比較した。
■合計で1105人の成人患者が対象となった。喀血の病因が特定された患者は1042人(94.3%)、未特定のままだった特発性の患者は63人(5.7%)であった。
表1. 喀血の原因(文献より引用)
■喀血の原因が特定されなかった患者では,原因が特定された患者と比べ,重症高血圧患者の割合が有意に高かった(35% vs. 11%, p < 0.001)。多変量解析では,年齢,喫煙歴,初期収縮期血圧が原因不明の喀血と有意に関連していた。
by otowelt
| 2022-10-19 00:52
| 呼吸器その他