気管支鏡における不快感に影響する因子


気管支鏡における不快感の最多原因は、ご存知のように咽頭麻酔にあります(PLoS One. 2018; 13(12):e0208495)。上部消化管内視鏡検査を受けるときにも、咽頭麻酔のキシロカインゼリーを凍らせたものなどを用いるので私もよく経験していますが、咽頭違和感はそれなりのものです。

この論文のDiscussionにも書かれているように、事前にちゃんと患者さんに説明する必要があります。



Karewicz A, et al. Evaluation of patients' satisfaction with bronchoscopy procedure. PLoS One. 2022 Oct 6;17(10):e0274377.

  • 概要
■気管支鏡検査は、一部の患者に不安を引き起こす。このような不安は、気管支鏡検査経過や次回以降の検査に対する患者の意欲に悪影響を及ぼす可能性がある。我々は、気管支鏡に対する満足度に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした。

■2019年1月から6月にかけて前向き研究を実施した。気管支鏡を受けた患者を対象とした。VASを用いて検査前後の不安と満足度を評価した。気管支鏡検査中のデータも収集した。硬性気管支鏡検査を受けた患者は本研究に含まれていない。

■気管支鏡検査はすべて咽頭・気道局所麻酔と意識下鎮静(ミダゾラムまたはミダゾラム+フェンタニル)のもとで実施した。局所麻酔薬には噴霧型リドカイン(2%および10%)を使用した。気管支鏡検査は10~15年の経験を持つ専門医によって実施された。

■処置前の不安のVAS中央値は、女性で高かった(p<0.0001)。大多数の患者(116/125, 93%)は、処置前の適切な情報提供に満足していた。約3分の1の患者(39/125、31%)が気管支鏡に十分満足(VAS=0)であったと述べ、17人(14%)が不満(VAS>5/10)だったと答えた。113人(90%)の患者が、今後気管支鏡検査を受けてもよいと回答した。

■107例(86%)において、処置中の合併症は認められなかった。

■多変量線形回帰分析により、気管支鏡検査に対する患者の満足度に影響を及ぼす2因子を同定した。検査前の不安(β = 0.264, p = 0.003)、検査の不快感(β = 0.205, p = 0.018)が有意であった。年齢、健忘の程度、処置時間、処置の種類は、患者の満足度に影響を与える因子としては有意でなかった。不快感を誘発する最も一般的な要因は,喉の局所麻酔(56/125,45%)、咳(47/125,38%)だった。
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. 気管支鏡における不快感の原因(文献より引用)






by otowelt | 2022-11-03 00:24 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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