原発性気胸における parietal pleural small hole


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内科医なので、まったく実感がなく勉強になりました。ただ、気胸が起こらないとPPSHは画像的に確認できないことと、この存在が何を意味しているのかがよく分かっていないようですね。それにしても、Sibson筋膜という言葉を聞いたのは何年ぶりか・・・。




  • 概要
■自然気胸の手術中に、壁側胸膜に小孔(PPSH)を存在するが、あまり認識されていない。原発性自然気胸(PSP)とPPSHを有する患者では、通常胸壁の平坦化が観察される。本研究では、PPSHの有病率を調査し、臨床的特徴を評価した。また、PPSH患者における胸壁扁平の程度を検討した。

■2014年4月から2021年5月までに気胸に対して胸腔鏡下手術を受けた全患者を後ろ向きに検討した。傾向スコアを用いて、PPSHの有無による患者の特徴を比較した。

■合計490例の患者を登録した。PPSHは、PSP297例中45例(15.2%)、続発性気胸患者193例中1例(0.5%)に観察された。PSPは年齢と性別で調整後、PPSHの独立リスク因子であった(オッズ比34.3、95%信頼区間4.7-250.9;P<0.001])。傾向スコアマッチ後、PSP患者においてPPSHを有する患者の胸壁扁平はPPSHを有しない患者の胸壁と比べて有意だったが(胸部前後径/横径比;PPSHあり:中央値0.517[IQR0.480-0.554] vs PPSHなし:中央値0.487[IQR0.463-0.529,P=0.031])、それほど重度ではなかった。







by otowelt | 2022-11-09 00:21 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優