気道検体におけるノカルジア属の検出は肺ノカルジア症?コロナイゼーション?
2022年 12月 08日
過去に肺ノカルジア症の論文を書いたことがあるのですが、それから肺ノカルジア症の査読が雑誌の垣根を超えて鬼のようにやってきます。
あ、ちなみにこの論文は査読していませんよ。そういうことに言及するのはご法度ですからね。
- 概要
■ノカルジア属の分離は感染症を意味せず、コロナイゼーションを考慮する必要もある。ここでは、慢性呼吸器疾患患者における肺ノカルジア症/ノカルジア属コロナイゼーションの違いについて解析した。
■少なくとも1つの呼吸器検体でノカルジア属の分離が確認された患者を対象とした後ろ向き研究を実施した。肺ノカルジア症/ノカルジア属コロナイゼーションの患者を比較した。ノカルジア属が確認された患者は71例で、64.8%が男性、平均年齢は67.7±11.2歳であった。全例に1つ以上の慢性肺疾患の既往があり、19.7%が免疫不全だった。肺ノカルジア症が26.8%、ノカルジア属コロナイゼーション73.2%と判断された。
■肺ノカルジア症がある患者で有意に症状が多かった(p<0.001)。追跡期間中に12例(16.9%)が死亡し、そのうち6例が肺ノカルジア症だった。免疫抑制、症状、血液学的悪性腫瘍、肺ノカルジア症の診断は、単変量解析で生存期間の有意な短縮と関連していたが、多変量解析で有意だったのは免疫抑制(ハザード比3.399; 95%信頼区間1.052-10.989)、肺ノカルジア症診断(ハザード比3.568; 95%信頼区間1.078-11.910)だった。
by otowelt
| 2022-12-08 00:44
| 感染症全般