メタアナリシス:気管支肺胞洗浄液中のアスペルギルスガラクトマンナン抗原


IPAの診断におけるBALFのアスペルギルスガラクトマンナン抗原のカットオフ値は0.5で感度89%、特異度79%、+LR4.3、-LR0.14というメタアナリシスです。AUCと特異度を見ると、1.0も有用だと思いますが。



Li C, et al. Diagnostic value of bronchoalveolar lavage fluid galactomannan assay for invasive pulmonary aspergillosis in adults: A meta-analysis. J Clin Pharm Ther . 2022 Nov 2. doi: 10.1111/jcpt.13792.

  • 概要
■成人における侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)の気管支肺胞洗浄液のガラクトマンナン(BALF-GM)の診断精度を分析し、メタアナリシスにより最適な診断カットオフを決定することを目的とした。

■PubMed,Embase,Web of Science,Cochrane Library,China national knowledge infrastructure(CNKI),China Wanfangを検索し、2022年3月までのIPAに対するBALF-GMの診断価値について関連研究を収集した。ROCにより最適な診断カットオフを決定した。

■19論文(56データセット)が含まれた。プールされた感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比、診断オッズ比は,0.79(95%信頼区間0.72-0.84)、0.92(95%信頼区間0.88-0.94)、9.25(95%信頼区間6.84-12.52), 0.23(95%信頼区間0.18-0.30), 39.44(95%信頼区間29.55-52.65)、0.92(95%信頼区間0.90-0.94 )であった。ROC AUCは、カットオフ値0.5、0.8、1.0、1.5、2.0、3.0のとき、それぞれ0.92、0.86、0.93、0.89、0.88、0.94だった。カットオフ値0.5については16研究が解析に含まれた。その結果、IPAの診断に対するBALF-GMの感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比、診断オッズ比は、0.89(95%信頼区間0.83-0.93)、0.79(95%信頼区間0.71-0.86)、4.33(95%信頼区間3.04-6.16)、0.14(95%信頼区間0.09-0.22)、31.51(95%信頼区間17.43-56.98)であった(AUC:0.92、95%信頼区間0.89-0.94)。

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by otowelt | 2022-11-05 15:58 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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