イソニアジド耐性結核の好ましくない転帰のリスク因子


学会の指針「イソニコチン酸ヒドラジドが使用できない場合の結核治療について」に記載されている通り、6RELZは再発率のデータが乏しいのが現状です。




Velayutham B, et al. Factors influencing treatment outcomes in patients with isoniazid-resistant pulmonary TB. Int J Tuberc Lung Dis . 2022 Nov 1;26(11):1033-1040.

  • 概要
■INH耐性結核は、インドでは6RELZの治療レジメンを受けている。

■INH耐性結核の治療プロファイルと治療成績を報告し、死亡、治療失敗・変更、追跡不能など好ましくない治療成績に関連する要因を特定することを目的とした。

■2019年7月から2020年6月に6RELZの治療成績を記録したNTEPデータベース(Ni-kshay)の後ろ向き解析である。

■INH耐性肺結核患者11,519人のうち、9,440人(82%)が治療成功(治癒55.1%、治療完了26.9%)であった。治療成績が好ましくなかったのは1,901人(16.5%)であった。追跡不能が728例と多かった。治療失敗は252例、死亡は579例だった。

■多変量解析によると、男性、喫煙、飲酒、HIV陽性(reactive:スクリーニング陽性)は好ましくない治療成績と関連していた。

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by otowelt | 2022-12-13 00:31 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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