STREAM試験 stage 2:RFP耐性結核に対するベダキリン含有経口レジメン
2022年 11月 13日
BPaLはリネゾリドを含むため、6か月とはいえ色々と大変と思われます。オキサゾリジノンとアミノグリコシドの両方を使わないレジメンだとありがたいのですが、選択肢が増えることはよいことですね。
Goodall RL, et al. Evaluation of two short standardised regimens for the treatment of rifampicin-resistant tuberculosis (STREAM stage 2): an open-label, multicentre, randomised, non-inferiority trial. Lancet. 2022 Nov 7;S0140-6736(22)02078-5.
- 概要
■STREAM試験stage 1では、リファンピシン耐性結核に対する9か月レジメンは、2011年のWHO推奨20か月レジメンに対して非劣性であることが示された。STREAM stage 2では、2種類のベダキリン含有レジメンとSTREAM stage 1の9か月レジメンを比較することを目的とした。
■7か国13施設で、フルオロキノロンまたはアミノグリコシド感受性のリファンピシン耐性結核である15歳以上の患者を対象に、ランダム化第3相非劣性試験を実施した。参加者は、2011年WHOレジメン(早期終了)、9か月間の対照レジメン、ベダキリンと9か月間の経口レジメン(主要比較)、ベダキリンと8週間のセカンドライン注射剤による6か月間のレジメンに1:2:2:2でランダムに割り付けられた。
■主要転帰は、76週時点で良好な状態(結核菌培養が陰性で、これ以前に好ましくない転帰がない)とされた。死亡、微生物学的治療失敗または再発、大幅な治療変更は、好ましくない転帰とみなされた。
■2016年3月28日から2020年1月28日の間に、1436人の参加者がスクリーニングされ、588人がランダム化された。修正ITT集団の517人のうち、対照レジメンでは187人中133人(71%)、経口レジメンでは196人中162人(83%)が良好な転帰であった。HIVステータスおよびランダム化プロトコルで調整した差は11.0%(95%信頼区間2.9-19.0)(非劣性p<0.0001)。
■2016年3月28日から2020年1月28日の間に、1436人の参加者がスクリーニングされ、588人がランダム化された。修正ITT集団の517人のうち、対照レジメンでは187人中133人(71%)、経口レジメンでは196人中162人(83%)が良好な転帰であった。HIVステータスおよびランダム化プロトコルで調整した差は11.0%(95%信頼区間2.9-19.0)(非劣性p<0.0001)。
■76週までに、対照レジメンの202人中108人(53%)、経口レジメンの211人中106人(50%)にグレード3または4の有害事象があり、対照レジメンの5人(2%)と経口レジメンの7人(3%)が死亡していた。難聴(グレード3または4)は、対照レジメンの参加者で経口レジメンの参加者よりも頻度が高かった(18 [9%] vs 4 [2%], p=0-0015)。6か月レジメンに割り付けられた修正ITT集団の134人のうち、122人(91%)が良好な転帰を示したのに対し、対照レジメンにランダムに同時割り付けられた127人の87人(69%)は、良好な転帰を示した(調整後差22.2%、95%信頼区間13.1-31.2)。
by otowelt
| 2022-11-13 22:07
| 抗酸菌感染症