ネットワークメタアナリシス:IPFに対する薬物治療
2022年 11月 23日
パムレブルマブ、遺伝子組み換え型ペントラキシン2あたりは期待されているIPF治療薬です。炎症性メディエーターのうち、ペントラキシン構造のアミノ酸配列をもつ一群をペントラキシンファミリーと呼びます。このペントラキシンファミリ―の中には、CRP、血清アミロイドAなども含まれます。ペントラキシン2は組織が損傷したところで作用し、線維化を抑制する作用があります。
参考記事:
Pitre T, et al. Medical treatments for idiopathic pulmonary fibrosis: a systematic review and network meta-analysis. Thorax. 2022 Dec;77(12):1243-1250.
■IPFは予後不良の呼吸器疾患である。この研究の目的は、承認または研究中の22IPF薬物治療の比較有効性を評価することである。
■MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、clinicaltrials.govを2021年4月2日まで検索した。22の薬物治療のうち1つ以上を受けたIPFの成人患者を対象としたRCTを対象とした。2人のレビュアーが独立して、IPF患者において1つ以上の対象医療を比較した無作為化試験を同定した。ネットワークメタアナリシスのGRADEアプローチにより、エビデンスを評価した。プール相対リスクを計算した。
■MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、clinicaltrials.govを2021年4月2日まで検索した。22の薬物治療のうち1つ以上を受けたIPFの成人患者を対象としたRCTを対象とした。2人のレビュアーが独立して、IPF患者において1つ以上の対象医療を比較した無作為化試験を同定した。ネットワークメタアナリシスのGRADEアプローチにより、エビデンスを評価した。プール相対リスクを計算した。
■解析対象となる48試験(患者数10326人)を同定した。ニンテダニブ[相対リスク0.69(0.44~1.1)], ピルフェニドン[相対リスク0.63(0.37~1.09); 直接推定],シルデナフィル[相対リスク0.44(0.16~1.09)] はおそらく死亡率を下げるが、信頼区間の上限は1を上回った(いずれも中等度の確実性)。
■ニンテダニブ、ニンテダニブ+シルデナフィル、ピルフェニドン、パムレブルマブ、遺伝子組み換え型ペントラキシン2によりFVC減少をおそらく軽減することが示された(中等度の確実性)。シルデナフィルのみが、急性増悪と入院をおそらく減少させる(中等度の確実性)。ステロイド+アザチオプリン+N-アセチルシステインは、プラセボに対して重篤な有害事象のリスクを増加させた(確実性大)。
by otowelt
| 2022-11-23 00:37
| びまん性肺疾患