統計学で初学者にまず勧めている本は、浅井隆先生の「いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ」ですが、あの殿堂にはどの本もなかなか入らんだろう、と思っていました。
が、しかし!梶原先生、この本マジっすか・・・。
発売日:2022年11月10日
単行本 : 336ページ
価格 : 3,200円 (税別)
出版社 : 東京図書
著者: 梶原 浩太郎 (著), 柳川 堯 (監修)
「統計を勉強したいなーん」とぼやいている人は、全員買ったほうがいいです。間違いなく、歴史に残る医学書になるでしょう。
梶原先生はご存知の通り「レジデントのためのスライドのポイント―伝えるためのプレゼンスキルの本を書いた人なので、ビジュアルにものすごくこだわりがあります。
だから、書籍全体はかなり計算された作りになっています。それにしても、梶原先生がまさかここまで統計に明るい先生だったとは・・・。
基本的には1項目ずつ1ページにまとまっていて、見出しが一番上にあります。伝えたいことは簡略化して大きな文字で書かれてあり、読みやすさが徹底追求されています。ニヤリ、これは計算された作りですね。同じ執筆者としてふがいなし。穴があったら入りたい!
私みたいに、クソみたいなエクセルファイルを作ってしまうと多変量解析とかがマジで大変になりますが、そういうデータ抽出から解析にうつる「行間」もちゃんと書いてあって、この本がレジデントのときにあったらと悔やまれてなりません。唯一事前に伝えておくとするなら、浅井先生の本よりやや中級者向けです。「統計ソフトを使って統計をこれからやりたいけど、勉強不足で困っている」という壁の前で腕組みしている人が、最適でしょう。