咳喘息に対するLTRA、ICS/LABA+LTRA、ICS/LABAの比較
2023年 01月 07日
咳喘息のRCTです。珍しい研究ですね。病態がそこまで重たくないということもあって、有意差は基本的についていないです。LTRA単独でも結構咳嗽VASスコアがよくなっているんですね。
まぁこうなるとプラセボ効果をどこまで考えるかという話になるのですが・・・
Yi F, et al. Effects of treatment with montelukast alone, budesonide/formoterol alone and a combination of both in cough variant asthma. Respir Res. 2022 Oct 10;23(1):279.
■咳喘息において、システイニル-ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)がICSやICS/LABAと同等の鎮咳効果を有するか、またLTRA+ICS/LABAがLTRA単独やICS/LABA単独より優れているのかは依然として不明である。この研究では、咳喘息治療におけるモンテルカスト単独、ブデソニド/ホルモテロール単独、および両者の併用療法の有効性を比較検討することを目的とした。
■99人の咳喘息患者を、モンテルカスト(M群:10 mg、1日1回)、ブデソニド/ホルモテロール(BF群:160/4.5 μg、1吸入1日2回)、モンテルカスト+ブデソニド/ホルモテロール(MBF群)に1:1:1でランダムに割り付けて8週間投与した。主要評価項目は,咳嗽VASスコア,日中の咳嗽症状スコア(CSS)、夜間CSSの変化とした。副次評価項目は,咳嗽反射感度(CRS),喀痰好酸球率(sputum Eos%)、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)の変化とした。CRSは、少なくとも5回の咳を誘発したカプサイシンの最低濃度(C5)とした。
■咳嗽VASスコアの中央値(M群6.0→2.0、BF群5.0→1.0、MBF群6.0→1.0、すべてp<0.001)、日中CSS(すべてp<0.01)、夜間CSS(すべてp<0.001)は8週間投与後、3群すべて有意に減少していることが確認された。
■一方,LogC5と喀痰Eos%は8週間の治療で3群とも有意に改善した(いずれもp<0.05)。ベースラインから8週目までのVASスコア、日中・夜間CSS、LogC5、喀痰Eos%の変化には3群間で有意差はなかった(いずれもp>0.05)。
■また、BF群およびMBF群は8週間投与後にFeNOの有意な減少を示したが(それぞれp = 0.001およびp = 0.008)、M群では有意な変化はなかった(p = 0.457)。MBFを8週間投与した結果、1秒率および%予測MMEFは有意に改善し、血中Eos%は減少した(いずれもp<0.05)。
by otowelt
| 2023-01-07 00:37
| 気管支喘息・COPD