MDR-END試験:キノロン感受性MDRTBに対する9か月のデラマニド+リネゾリド+レボフロキサシン+ピラジナミドレジメン


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STREAM試験 Stage2でもアミノグリコシドを使わない場合の9ヶ月治療(7剤4か月プロチオナミド・高用量INH・LVFX・CFZ・EB・PZA・BDQ→4剤5か月LVFX・CFZ・EB・PZA・BDQ)の有効性が示されていますが、シンプルイズベストで、できれば少ない薬剤で完遂したいものです。

今月改訂されたWHOガイドラインではBPaLM推奨の集団ですが、忍容性の問題などでたとえば9か月を選択する場合、このようなレジメンでも可能ではないかというものです。

とりあえずオキサゾリジノンを減量リネゾリドか新規オキサゾリジノンにしたRCTが出てほしいところですね。




■新しい抗結核薬の登場により、MDRTBに対する短縮全経口投与レジメンが期待されている。われわれは、フルオロキノロン感受性MDRTBの治療において、新しい全経口レジメンが二次抗結核薬を含む従来のレジメン(WHOレジメン20~24か月)に非劣性であるかどうかを検討した。

■多施設共同ランダム化非盲検第2/3相非劣性試験において、韓国内の12施設から、pDST, gDSTでMDRTB,またはgDSTでRFP耐性と診断された19~85歳の男女を登録した。フルオロキノロン耐性MDRTBは除外された。ブロックランダム化によって、治験群と対照群のいずれかに1:1で割り付けられた。治験群はデラマニド、リネゾリド、レボフロキサシン、ピラジナミドを9か月間、対照群は2014年WHOレジメン20~24か月とした。プライマリアウトカムは、修正ITTおよびper-protocol集団における治療開始後24か月の時点での治療成功率とした。

■2016年3月4日から2019年9月14日の間に、214名の参加者が登録され、そのうち168名(78.5%)が修正ITT集団に含まれた。治療開始後24か月時点で、対照群85人中60人(70.6%)、短縮レジメン群72人中54人(75.0%)が治療成功と言う結果だった(群間差4.4%[97.5%片側信頼区間-9.5%~∞]、事前に定義した非劣性マージンを満たす)。安全性については、対照群と短期レジメン群との間に差はなかった。







by otowelt | 2022-12-28 00:44 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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