NSAIDs過敏喘息(N-ERD)に対するデュピルマブ


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N-ERDに対するデュピルマブの研究です。耳鼻咽喉科ではデュピルマブがよく研究されていますが、鼻茸の有無を問わずテゼペルマブも有効であることが示されています(J Asthma Allergy. 2021 Feb 3;14:91-99.)。



Schneider S, et al. Dupilumab increases aspirin tolerance in NSAID-exacerbated respiratory disease (N-ERD). Eur Respir J . 2022 Dec 22;2201335.

  • 概要
■NSAIDs過敏喘息(N-ERD)は、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎、喘息、NSAIDに対する不耐症の三徴から構成される。IL-4受容体αを標的とするデュピルマブ治療は、鼻茸による負荷や喘息症状を軽減する。われわれはN-ERD患者を対象に、デュピルマブがアスピリン不耐症や鼻のサイトカインプロファイルに及ぼす影響を調査した。

■この非盲検試験において、N-ERDが確認された成人患者に6か月間デュピルマブを投与した。臨床パラメータ(例:鼻茸スコア、QOL、嗅覚テスト、スパイロメトリー)、経口アスピリン誘発試験、血液・鼻腔・尿検体採取が、デュピルマブ開始後6か月まで定期的にモニタリングされた。

■31例のN-ERD患者のうち、30例が経口アスピリン誘発試験を完遂した。デュピルマブ治療開始6か月後、23.3%(n=7/30)の患者がアスピリン耐性を獲得し、さらに33.3%(n=10/30)の患者が高用量での耐性を獲得した。治療後、すべての患者において鼻茸スコアが有意に改善し(スコア:-2.68±1.84, p<0.001)、ACT(+2.34±3.67, p<0.001)および嗅覚(UPSIT: +11.16±9.54, p<0.001)も改善された。

■アスピリン耐性が得られた患者では、尿中ロイコトリエンE4値の有意な減少が認められ、臨床パラメータの改善は、エオタキシン-1、CCL17、IL-5、IL-17A、IL-6の減少と関連していた。N-ERD患者の57%は、デュピルマブ治療下で、高用量のアスピリンに耐性を示した。






by otowelt | 2022-12-31 00:31 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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