発展途上国における肺ノカルジア症
2023年 01月 04日
胸部画像検査が全員におこなえたわけではなく、発展途上国においてというlimitationを差し引いて読む必要があります。併用療法については、併用したから死亡リスクが上昇したのではなく、肺ノカルジア症が重症だから併用されたという理解でよいと思います。
Rahim Y, et al. Clinical characteristics, outcomes, and factors associated with mortality in Nocardia pneumonia: 18 years' real-world data from a tertiary care hospital in Karachi, Pakistan. Respir Investig. 2022 Dec 18;S2212-5345(22)00155-1.
- 概要
■肺ノカルジア症は、死亡リスクの高いまれな肺感染症である。パキスタンのような発展途上国では、肺ノカルジア症患者に関する実データは限られている。
■この後ろ向き観察研究は、パキスタンのカラチにあるアガ・カーン大学病院で2003年8月から2020年6月まで実施されたものである。すべてのノカルジア症患者の人口統計学、免疫状態、基礎疾患、検査データ、治療、転帰を記録した。
■塗抹/培養証明された肺ノカルジア症患者は66例である。治療法はST合剤単剤あるいは他剤との併用が83.3%であった。本研究での総死亡率は33.3%(n = 22/66)であった。死亡率と有意に関連する因子は、呼吸不全(p<0.001)、プロカルシトニン値上昇(p=0.01)、真菌感染症の合併(p=0.01)、結核の合併(p=0.03)、併用療法を受けた患者(p<0.001)であった。多変量解析において、呼吸不全(オッズ比46.94[95%信頼区間5.01-439.03] p < 0.001)、真菌感染症の合併(オッズ比17.09 [95%信頼区間1.47-197.88] p=0.02)、併用療法を受けた患者(オッズ比6.90 [95%信頼区間1.23-38.61] p=0.02)は死亡の独立リスク因子であった。
■この後ろ向き観察研究は、パキスタンのカラチにあるアガ・カーン大学病院で2003年8月から2020年6月まで実施されたものである。すべてのノカルジア症患者の人口統計学、免疫状態、基礎疾患、検査データ、治療、転帰を記録した。
■塗抹/培養証明された肺ノカルジア症患者は66例である。治療法はST合剤単剤あるいは他剤との併用が83.3%であった。本研究での総死亡率は33.3%(n = 22/66)であった。死亡率と有意に関連する因子は、呼吸不全(p<0.001)、プロカルシトニン値上昇(p=0.01)、真菌感染症の合併(p=0.01)、結核の合併(p=0.03)、併用療法を受けた患者(p<0.001)であった。多変量解析において、呼吸不全(オッズ比46.94[95%信頼区間5.01-439.03] p < 0.001)、真菌感染症の合併(オッズ比17.09 [95%信頼区間1.47-197.88] p=0.02)、併用療法を受けた患者(オッズ比6.90 [95%信頼区間1.23-38.61] p=0.02)は死亡の独立リスク因子であった。