COVID-19:大阪府の現状(12月28日)

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大阪府も、第8波の状況がかなり変わってきました。久しぶりのCOVID-19概況です。当院は積極的に二次・三次救急を受け入れている病院ではないのでつぶさに実感しにくいですが、救急隊員から話を聞く限りでは、救急医療が割と崩壊に近い状況になっています。大阪府の新規陽性者は1万3,000人程度ですが、水面下に未診断のCOVID-19が多く、もしかすると第7波のピークに水準に近い状況かもしれません。

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軽症中等症病床は、第6波・7波と肩を並べるほど使用率が増えており、すでに大阪府は緊急確保病床を含むフェーズ5へ移行しています。高齢者施設クラスターが多いです。年末に10人・20人とクラスターが出た施設は、先手を打って入院要請を出している印象で、要請のある全てが入院適応かどうか何とも言えないところです。入院例のほとんどがADL不良の高齢者です。このまま感染者数が増えると、基礎疾患のある若年中高年層の中等症も連れ増してくるかもしれません。

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重症患者数は第7波と同程度の水準です。第4波と比べると、大阪府の重症病床はまだおだやかです。第7波同様、高齢者の感染者が多いからだと思います。しかし、中等症重症一体型の施設は、いつ重症が増えてくるのか怯えながら病床が逼迫し始めており、相当なストレスを抱えているでしょう。

本日、大阪府もインフルエンザの流行期入りとなりました。新型コロナ第8波とインフルエンザの波のピークはズレるかもしれません。できるだけ発出したくない自治体の思惑が見え隠れしますが、新レベル分類4へ移行し「医療非常事態宣言」が複数の自治体から発出されるかもしれません。



by otowelt | 2022-12-28 23:14 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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