喘息・COPD・ACOの死亡リスク上昇について
2023年 01月 20日
ACOの概念自体はGINAもGOLDももう撤退方向にあります。GOLDにいたっては、COPD-Aという定義に位置付けていますね。もう用語は作らなくていいです(笑)
Mattila T, et al. Mortality of asthma, COPD, and asthma-COPD overlap during an 18-year follow up. Respir Med. 2022 Dec 31;107112.
- 概要
■2000~2001年にかけて、30歳以上のフィンランド人成人を対象とした全国健康診断調査が実施された。
■研究コホートには、包括的な臨床検査やスパイロメトリーなどの関連データをすべて有する5922人(標本の73.8%)が含まれた。これらの参加者は、ベースラインから2018年末まで、総死亡、心血管死亡、がん死亡、呼吸器系の死亡について継続的に追跡された。喘息、COPD、ACOは、スパイロメトリーや登録データなどの調査データに基づいて定義された。
■性別、年齢、喫煙、教育レベル、BMI、身体活動、心血管疾患、糖尿病、高血圧で調整したモデルにおいて、喘息とCOPDは総死亡率の上昇と有意に関連していた。
■喘息、COPD、ACOのハザード比は、それぞれ1.29(95%信頼区間1.05-1.58)、1.50(95%信頼区間1.20-1.88)、1.26(95%信頼区間0.97-1.65)であった。
■さらに、喘息(ハザード比1.47、95%信頼区間1.09-1.97)およびCOPD(ハザード比1.53、95%信頼区間1.08-2.16)は、心血管死亡率と関連していた。
■ACOはコホート全体では死亡リスクの上昇はなかったが、高感度-CRP 1~2.99 mg/Lの患者では死亡リスクと有意な関連があった。