気管支鏡前にメジコンを投与すると咳嗽が減る

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「メジコン!待ってたぜ!」と言いたくなるようなランダム化比較試験です。90mgなので、6錠ということになりますね。シロップ製剤を使っていますので、錠剤と全く同じとは言えないかもしれません。

ハチミツが鎮咳効果をもたらすのは、ハチミツの成分ではなく甘みではないかという説もあります。そのため、実はデキストロメトルファンもシロップのほうがその効力を倍増させる可能性を秘めているとかいないとか。




Panigrahi MK, et al. Dextromethorphan premedication in the alleviation of cough during flexible bronchoscopy in adults: A randomized double-blind placebo-controlled trial. Respirology. 2023 Jan 10. doi: 10.1111/resp.14445.


■気管支鏡検査では、鎮静剤や局所麻酔薬を使用しても咳が出ることがある。気管支鏡検査時の理想的な鎮咳薬は不明である。我々は、成人において、デキストロメトルファン前投薬が軟性気管支鏡検査中の咳嗽を緩和する役割を評価した。

■この単施設研究では、18歳以上の患者を、気管支鏡処置1時間前にデキストロメトルファンシロップ30mL(90mg)または同量プラセボを投与する群にランダムに割り付けた。手技終了時に咳嗽重症度と不快感をVASにて評価してもらった。気管支鏡医にも咳嗽重症度について評価してもらった。

■スクリーニングされた112人の患者のうち、94人(年齢中央値51歳(IQR36.25-60.75、男女比2.13:1)がデキストロメトルファン群(n = 47)またはプラセボ群(n = 47)にランダム化された。処置終了時の患者評価による咳VASの中央値(IQR)は、デキストロメトルファン群で15(10-23)mm、プラセボ群で20(12-45.5)mmだった(p = 0.03)。1時間後の患者評価による咳嗽スコア中央値(5mm vs. 6mm, p = 0.21)、不快感スコア(12.5mm vs. 12.5mm, p = 0.49)、ミダゾラムおよびリグノカインの使用量は両群間で同様であった。気管支鏡医が評価した咳嗽スコアの中央値は、プラセボ群に比べ介入群で非有意的に低かった(26mm vs. 35mm、p = 0.09)。






by otowelt | 2023-01-15 00:27 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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