LAMにおけるシロリムス+レスベラトロール併用療法




レスベラトロールは、ブドウや赤ワインに含まれる抗酸化作用を持ったポリフェノールの一種です。シロリムスに追加する意義について検証した論文が、意外にもCHEST誌に掲載されました。

ラパマイシンとレスベラトロールの併用療法が、TSC2-null細胞においてオートファジーをブロックし、アポトーシスを誘導することが示されています(Cell Cycle. 2014;13(3):371-82)。S6K1シグナルの阻害を維持しつつ、ラパマイシンによるAktのアップレギュレーションを抑制し、ひいてはmTORC1(mechanistic/mammalian target of rapamycin complex 1)の過活性化を抑制し続けるという作用が推定されます(Am J Respir Cell Mol Biol. 2015 Nov;53(5):637-46.)。

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. レスベラトロールとラパマイシン(Cell Cycle. 2014;13(3):371-82より引用)




Gupta N, et al. Safety and efficacy of combined resveratrol and sirolimus in lymphangioleiomyomatosis. Chest. 2023 Jan 12;S0012-3692(23)00041-7.

  • 概要
■LAM患者において、レスベラトロールをシロリムスに加えることの安全性と有効性を検証した。

■シロリムスで安定した治療を受けているLAM患者を対象に、レスベラトロールの第2相用量漸増非盲検試験を実施した。レスベラトロールは1日250mgから開始し、8週間ごとに増量し、24週間かけて最大1日1,000mgまで投与した。主要評価項目は、VEGF-D値がシロリムス投与時のベースラインと比較して、併用療法で42%以上低下することとした。副次的評価項目は、安全性プロファイルの評価、肺機能、健康関連QOL(HRQOL)とした。

■25人のLAM患者(年齢中央値51歳)が登録された。試験組み入れ時の肺機能パラメータにおける絶対値および%予測値の中央値は、FEV1:1.72リットル・64%;FVC:2.99リットル・96%;DLCO:14.68ml/mmHg/min・37%だった。ベースラインの血清VEGF-D値の中央値は617pg/mlであった。被験者は、中央値1日2mgのシロリムス投与下で試験に参加し、中央値トラフレベルは6.3ng/mlであった。いくつかの消化器系副作用があったものの、レスベラトロールの追加は十分に認容性があった。主要評価項目は満たされなかったが、試験期間中に血清VEGF-D濃度の有意な低下とHRQOLの改善が確認された。





by otowelt | 2023-01-18 00:24 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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