COPD増悪における低ナトリウム血症のリスク因子
2023年 03月 04日
この研究での低ナトリウム血症の定義は135mEq/L未満なので、結構実臨床ではアクションを起こさないレベルの集団も組み込まれている点は注意が必要です。
LASSO回帰は膨大な変数が候補にあるときに使われる手法で、オーバーフィッティングのリスクを減少させて共変数を絞ることが可能です。また、多重共線性を最小化することができます。
Xiao M, et al. Risk factors for hyponatremia in acute exacerbation chronic obstructive pulmonary disease (AECOPD): a multicenter cross-sectional study. BMC Pulm Med . 2023 Jan 28;23(1):39.
- 概要
■低ナトリウム血症は、COPD患者の死亡率や再入院の増加など、予後不良の独立因子である。低ナトリウム血症に関して補正可能な原因を特定することは、AECOPDにおける有害事象の軽減に役立つ可能性がある。本研究の目的は、AECOPD患者における低ナトリウム血症のリスク因子および背景因子を探索することである。
■多施設共同横断研究に、586人のAECOPD患者が登録された。最終的に、323人が正常電解質、90人が低ナトリウム血症だった。LASSO回帰を用いて潜在的リスク因子を選択し、二項ロジスティック回帰を用いて独立リスク因子を同定した。
■LASSO回帰により9つの潜在的な低ナトリウム血症関連リスク因子が選択された。その後、二項ロジスティック回帰モデルにより、喫煙状況、市中肺炎発症率,アニオンギャップ(AG)、赤沈、血清マグネシウムがAECOPD患者における低ナトリウム血症の独立変数であることが同定された。ノモグラムのROC-AUCは0.756であった。
■AECOPD患者において、喫煙状況、市中肺炎、AG、赤沈、血清マグネシウムが低ナトリウム血症と独立して関連していることが示された。
by otowelt
| 2023-03-04 00:30
| 気管支喘息・COPD