旭化成ファーマからイサブコナゾール(クレセンバ)発売予定

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2022年12月に製造販売承認がおりたイサブコナゾール(クレセンバ)。3~4月頃の発売となる可能性が高く、当面14日間処方ですから、呼吸器診療としてはまだ使用する機会があるのは先の話かもしれません。

保険適応は、侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症(CPA)、単純性肺アスペルギローマ、ムーコル症、クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む)となっています。ポサコナゾール(ノクサフィル)は、アスペルギルス属に関しては侵襲性アスペルギルス症のみが適応菌種となっているため、CPAに関してはクレセンバが使えるというメリットがあります。

イサブコナゾールのエビデンスとして有名なのは、アスペルギルス属または他の糸状菌による侵襲性真菌症が疑われる患者527人を対象として、イサブコナゾールまたはボリコナゾールを投与する群にランダムに割り付けた第III相非劣性試験です(Lancet. 2016;387(10020):760.)。ITT集団における42日目までの全死亡率は、イサブコナゾール群で19%、ボリコナゾール群で20%という結果でした。副作用はイサブコナゾールのほうが少なく、特に肝障害や皮膚障害の頻度が低かったことが示されています。あと、イサブコナゾールの薬物相互作用が、ボリコナゾールの薬物相互作用よりマシという点が特長です。

個人的な感想を述べますが、呼吸器内科医としては「できればアゾール系以外の選択肢を・・・」と思っています。通常のラボではアゾール耐性は検出されませんが、アゾール系をしっかり飲めているけど画像上じわじわ進行しているCPAのサルベージに使えるとまでは期待していませんので・・・。

ちなみに、イサブコナゾニウム硫酸塩が一般名ですが、これはイサブコナゾールのプロドラッグだからだそうです。



by otowelt | 2023-02-13 00:35 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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