CodeBreaK 200試験:KRASG12C変異陽性既治療NSCLCに対するソトラシブ

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ルマケラス®とドセタキセルと比較したCodeBreak 200試験において、ドセタキセル群より奏効率が高かったことがESMO2022などで報告されていました。その論文化です。




de Langen AJ, et al. Sotorasib versus docetaxel for previously treated non-small-cell lung cancer with KRASG12C mutation: a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2023 Feb 7;S0140-6736(23)00221-0.

■ソトラシブは、GTPaseタンパクであるKRASG12Cの特異的かつ不可逆的な阻害剤である。我々は、他の抗癌剤治療歴のあるKRASG12C変異を有するNSCLCにおいて、ソトラシブの有効性と安全性を標準治療と比較検討した。

■22か国148施設でランダム化非盲検第3相試験を実施した。KRAS<sup>G12C</sup>変異を有する18歳以上の進行性NSCLCで、プラチナ製剤併用療法およびPD-1/PD-L1阻害剤の前治療後に進行した患者を募集しました。未治療の脳病変または症状のある脳病変の新規発症または進行、他のドライバー遺伝子変異がある場合、ドセタキセル治療歴などは除外された。

■患者をソトラシブ経口投与(960 mg 1日1回)またはドセタキセル静注(75 mg/m2を3週間に1回)にランダムに(1:1で)割り付けられた。ランダム化は、進行性疾患における前治療ライン数(1 vs 2 vs >2)、民族(アジア系 vs 非アジア系)、および CNS 転移歴(有・無)によって層別化された。主要評価項目はITT集団におけるPFSとした。

■2020年6月4日から2021年4月26日の間に、345人の患者がソトラシブ(n=171[50%])またはドセタキセル(n=174[50%])の投与にランダムに割り付けられた。ソトラシブ群169人(99%)、ドセタキセル群151人(87%)が少なくとも1回の投与を受けた。追跡期間中央値17.7ヶ月(IQR16.4-20.1)後、本試験は主要評価項目であるPFSをドセタキセルと比較して統計的に有意に延長した(PFS中央値 5-6か月 [95%信頼区間4.3-7.8] vs 4.5 ヶ月 [3.0-5.7]; ハザード比0.66 [0.51-0.86]; p=0.0017 )。ソトラシブは忍容性が高く、ドセタキセルと比較してグレード3以上の有害事象(n=56 [33%] vs n=61 [40%])および重篤な治療関連有害事象(n=18 [11%] vs n=34 [23%])が少なかった。ソトラシブで最も多く見られたグレード3以上の治療関連有害事象は下痢(n=20 [12%])、ALT増加(n=13 [8%])、AST増加(n=9 [5%])であった。ドセタキセルで最も多く見られたグレード3以上の治療関連有害事象は、好中球減少症(n=13 [9%])、疲労(n=9 [6%])、発熱性好中球減少症(n=8 [5%])であった。





by otowelt | 2023-02-12 12:34 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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