職業性曝露と胸膜プラークの相関
2023年 03月 20日
胸膜プラークに関する報告はほとんどないので、参考になりました。横隔膜上に石灰化がある症例は、だいたいアスベスト曝露歴があるので、しっかり問診しておきましょう。
- 概要
■背景 これまでの研究では、耐火性セラミック繊維(RCF)やミネラルウール繊維(MWF)と、胸膜プラーク(PP)の存在との関連について一貫した報告がない。これらの研究はすべて胸部単純X線写真に基づいており、PPの診断の感度が低いことが知られている。PPのリスクは、RCF、MWF、シリカへの累積暴露によって増加するかどうかを調べた。
■フランスで実施された石綿関連疾患目的のCT撮影によるスクリーニングプログラムに参加するボランティア労働者が募集された。アスベスト曝露は産業衛生士によって評価され、RCF、MWF、シリカへの曝露は職務曝露マトリクスを用いて決定された。累積暴露指数(CEI)は、各被験者について、また4種類の鉱物粒子暴露について別々に計算された。CTは無作為化され、放射線科医が読影した。
■5,457人のコホートにおいて、RCFまたはMWFのCEIとPPのリスクとの間に、アスベスト曝露を調整した後、有意な線量反応関係が認められた(CEIの最高四分位についてそれぞれオッズ比1.29 [95%信頼区間1.00-1.67] およびオッズ比1.84 [95%信頼区間1.49-2.27] )。さらに、アスベストおよびMWF・RCFの間に、有意な交互作用がみられた。
■アスベスト暴露既往のある集団において、RCFおよびMWFへの曝露とPPの存在との間に有意な関連があった。
by otowelt
| 2023-03-20 00:03
| 呼吸器その他