INCREASE試験事後解析:ILD合併PHに対する高用量吸入トレプロスチニル

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呼吸器疾患を合併している3群では、肺血管床が減少し、心拍出量増加による肺動脈圧の上昇のデルタが大きくなることが示されています。

2022年12月、トレプロスト®吸入液1.74mgが承認されています。

ESC/ERSガイドラインは昨年すでに更新されています(Humbert M, et al. 2022 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension. Eur Heart J . 2022 Oct 11;43(38):3618-3731.)。



■肺高血圧症(PH)は、線維性ILDの患者の経過を複雑にしている。吸入トレプロスチニル(iTre)は、ILDに起因する肺高血圧症患者において、機能を改善し、臨床的悪化を遅らせることが示されている。高用量iTreは、臨床的悪化予防・臨床的改善において、より大きな効果があるか検証した。

■ILDに起因するPH患者を対象としたiTreの16週間の二重盲検ランダム化プラセボ対照試験であるINCREASE試験の事後解析である。1セッションあたりの吸入回数に基づいて4群に層別化した。臨床的悪化(6分間歩行距離の15%減少、心臓あるいは呼吸器系の入院、肺移植、死亡)または臨床的改善(6分間歩行距離が15%増加し、同時にBNPが30%減少、臨床的悪化イベントなし)が評価された。

※吸入トレプロスチニルは超音波ネブライザーを用いて、1吸気あたり6μg吸い込むよう設計。吸入は1日に4回行うが、その後の増量期間に3日ごとに1回あたりの吸気数を増加させ、目標は1日9吸入(54μg)を4回とし、最大用量は1日に12吸入(72μg)を4回までとした。

■4週時点で、iTre群では9吸入以上が70例(高用量群)、9吸入未満が79例(低用量群)、プラセボ群では高用量群が86例、低用量群が67例であった。4週目から16週目の間に、トレプロスチニル高用量投与群では17.1%、低用量投与群では22.8%の患者が臨床的悪化イベントを経験し、プラセボ群ではそれぞれ33.7%、34.3%だった(P=0.006)。16週目までに、iTreの高用量投与群では15.7%、低用量投与群では12.7%が臨床的改善を示し、プラセボ群では7%、1.5%が改善した(P = 0.003)

■iTreの高用量投与は、ILD合併PH患者の臨床症状の悪化防止および臨床症状の改善において高い有用性を示した。





by otowelt | 2023-02-17 00:20 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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