TRUNCATE-TB研究:結核標準治療の短縮化


トップジャーナルの結核の論文が多く、情報アップデートが大変ですね。ACTG, Study 31/A5349試験ではリファペンチン+モキシフロキサシンで4か月治療まで短縮可能という結果でしたが、今回のTRUNCATE-TBでは2か月まで短縮できるかもしれないという話です。最終的にすべてがBPaLの世界に行くのかな(笑)。先進国ならではの強みもありますが、安全に使える薬剤ならば、私は標準治療がいいです。

オキサゾリジノンの副作用は無視できないと思いますので。

それにしてもベダキリン・リネゾリド群はリファンピシン感受性なのにリファンピシンを使わないというアグレッシブなarmとなっています。

TRUNCATE-TB研究:結核標準治療の短縮化_e0156318_11130893.png




Paton NI, et al. Treatment Strategy for Rifampin-Susceptible Tuberculosis. N Engl J Med. 2023 Feb 20. doi: 10.1056/NEJMoa2212537.

  • 概要
■結核は通常6か月間のリファンピンベースのレジメンで治療される。初回治療の期間を短縮することで、同様の治療成績が得られるかどうかは不明である。

■非盲検非劣性試験において、リファンピン感受性肺結核患者を、標準治療(HR24週間、EZ8週間 [2HREZ+4HR])または8週間のレジメン(評価されたのはINH・PZA・EBを併用した状態での①高用量RFP+LZD、③高用量RFP+CFZ、④RPT+LZD、⑤BDQ+LZD)による初期治療にランダム化割り付けされた。主要転帰は、死亡および治療継続中~96週目の疾患活動性の複合とした。非劣性マージンは 12%ポイントであった。

■ITT集団674人のうち、4例が同意撤回・追跡不能となった。レジメン②、③は評価困難性などの理由により中途登録を取りやめ、①と⑤を検討することとなった。

■主要転帰は、標準治療群では 181 例中 7 例(3.9%)に発生し、RFP+LZD群では184 例中 21 例(11.4%)に発生した(調整後差7.4%ポイント; 97. 5%信頼区間、1.7~13.2、非劣性は満たさず)、BDQ+LZD群では189人中11人(5.8%)だった(調整後差、0.8%ポイント;97.5%信頼区間-3.4~5.1、非劣性を満たす)。平均総治療期間は、標準治療群180日、RFP-LZD戦略群で106日、BDQ-LZD戦略群で85日であった。グレード3または4の有害事象および重篤な有害事象の発生率は、3群間でほぼ同じであった.

■8 週間のBDQ+LZDレジメンによる初回治療戦略は、標準治療と比べて非劣性が示された。治療期間の短縮につながり、明らかな安全性の懸念もなかった。








by otowelt | 2023-02-25 00:05 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31