気管支鏡適応の肺MAC症疑い例に対するMAC抗体の有用性


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■肺MAC症に有用な知られざる検査(URL:https://medical-tribune.co.jp/rensai/2023/0312555944/

Medical Tribuneの連載で、東北医科薬科大学病院から発表された論文を紹介させていただきました。MAC抗体は、呼吸器内科以外では知名度はまだまだ低いですね。喀痰培養陰性の肺MAC症疑い例に対するMAC抗体の有用性を論じた研究で、実臨床とマッチしている印象です。10U/mL以上の著増例が多いことも、同感です。

ブログでも少し端折って紹介させていただきます。



Shimada D, et al. Detection of Mycobacterium avium-intracellulare Complex (MAC) by Bronchial Lavage and the Relationship with Titers of Anti-Glycopeptidolipid-Core IgA Antibodies to MAC in Patients with Pulmonary MAC Disease. Infect Drug Resist. 2023 Feb 17;16:977-984.

  • 概要
■喀痰培養で診断がつかなかった患者の肺MAC症の診断に気管支鏡が有用とされているが、その精度や、抗GPL-core IgA抗体(抗MAC抗体)の併用の意義については不明である。

■喀痰陰性で肺MAC症を疑われた111例を解析した(2018年4月~2022年3月)。これらの患者は抗MAC抗が陽性の集団と陰性の集団に分けた。

■肺MAC症を疑われた喀痰培養陰性患者のうち、その他のNTMを除いた肺MAC症確定例111人が気管支鏡検査を受けた。平均年齢69.14歳(31.0-89.0歳)、90例(81.0%)が女性で、気管支鏡検体の塗抹陽性だったのは42例(37.8%)、培養陰性だったのは27例(24.3%)だった。
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■当該111例のうち、69例(62.2%)が抗MAC抗体陽性で、このうち57例(82.6%)が気管支鏡検体で陽性だった。反面、抗MAC抗体陰性だった42例のうち12例(28.6%)のみが気管支鏡検体で陽性となった。気管支鏡的な肺MAC症診断における抗MAC抗体の感度・特異度はそれぞれ82.6%、71.4%だった(ROC AUC0.807)。

■69例の気管支鏡検体陽性例のうち、31例(44.9%)が10U/m以上の抗体価を示した。







by otowelt | 2023-03-14 00:15 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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