肥満喘息における肺機能パラメータ
2023年 03月 26日
肥満喘息は、アディポカインなどいろいろな悪化因子がありますが、その最たるものは気道に対する物理的な肺機能の下押し効果と考えられており、それを示す研究結果だと思います。
Alqarni A, et al. Prevalence of Overweight and Obesity and Their Impact on Spirometry Parameters in Patients with Asthma: A Multicentre, Retrospective Study. J Clin Med. 2023 Feb 25;12(5):1843.
■喘息と確定診断された患者は計684例で、74%が女性で、平均年齢は47±16歳であった。喘息患者における過体重および肥満の有病率は、それぞれ31.1%および46.0%であった。肥満の喘息患者は、標準体重の患者と比較して、スパイロメトリーの結果に有意な低下をもたらした。
- 概要
■肥満は喘息患者によくみられる併存症であり、健康状態や予後に影響する。しかし、過体重や肥満が喘息やその肺機能にどの程度影響を与えるかは不明である。本研究では、喘息患者における過体重と肥満の有病率を調べ、それらがスパイロメトリーパラメータにおよぼす影響を評価した。
■多施設共同後ろ向き研究では、2016年1月から2022年10月の間に研究対象医療機関の呼吸器クリニックで喘息の診断が確定された患者の背景データとスパイロメトリー結果を検討した。
■多施設共同後ろ向き研究では、2016年1月から2022年10月の間に研究対象医療機関の呼吸器クリニックで喘息の診断が確定された患者の背景データとスパイロメトリー結果を検討した。
■喘息と確定診断された患者は計684例で、74%が女性で、平均年齢は47±16歳であった。喘息患者における過体重および肥満の有病率は、それぞれ31.1%および46.0%であった。肥満の喘息患者は、標準体重の患者と比較して、スパイロメトリーの結果に有意な低下をもたらした。
■BMIは、FVC(L)、FEV1、FEF 25-75%、PEFと負の相関があった(r = -0.22, p < 0.001; r = -0.17, p < 0.001; r = -0.15, p < 0.001; r = -0.12, p < 0.01)。交絡因子の調整後、BMIが高いほど、FVCの低下(B -0.02 [95%信頼区間-0.028, -0.01, p < 0.001] )、FEV1低下(B -0.01 [95%信頼区間-0.01, -0.001, p < 0.05] )と独立して関連していた。
by otowelt
| 2023-03-26 00:28
| 気管支喘息・COPD