メタアナリシス:ABPAに対するオマリズマブ

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ABPAは気道に好酸球があふれ出る疾患と理解していますが、タイプ2炎症を抑制する薬剤であれば概ね効果的という印象を持っています。OCS依存になる患者さんはABPA治療に難渋しているわけで、私は積極的に生物学的製剤を使ってよいと思っています。よく「保険適応がない」と言われますが、基本的に難治性喘息症状で困っているわけですから、高用量ICS/LABA以上が必要ならば投与したほうがよいとすら思っています。




Jin M, et al. Omalizumab in Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Allergy Clin Immunol Pract. 2023 Mar;11(3):896-905.

  • 概要
■治療抵抗性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の管理には、アンメットニーズが存在する。オマリズマブはケースシリーズやコホート研究において有望な効果が示されているが、日常的な臨床使用を支持するエビデンスは不足している。

■ABPA患者におけるオマリズマブの臨床的有効性と安全性を評価するため、システマティックレビューとメタアナリシスをおこなった。

■2021年5月13日まで、特定のキーワードを用いてシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。オマリズマブ治療前後の有効性(増悪、OCS使用、肺機能、患者報告による喘息コントロール)と安全性を比較した。治療期間および基礎疾患についてサブグループ解析をおこなった。

■49研究(n = 267)がシステマティックレビューに、14のケースシリーズ(n = 186)が量的メタアナリシスに含まれた。オマリズマブ治療によって、治療前と比べて年間増悪率が有意に減少した(平均差-2.09、95%信頼区間-3.07 ~-1.11]; P < .01)。オマリズマブを投与されたABPA患者では、OCS使用が減少し(リスク差0.65、95%信頼区間0.46-0.84; P < .01)、OCS終了(リスク差0.53、95%信頼区間0.24-0.82; P < .01)、OCS用量(mg/日)減少(平均差-14.62、95%信頼区間-19.86~-9.39]; P < .01)が観察された。オマリズマブは%予想1秒量を11.9%(95%信頼区間8.2-15.6; P < .01)改善し、喘息コントロールを改善した。忍容性は良好であった。

■ABPAにおけるオマリズマブ投与は、肺機能と喘息コントロールを改善し、忍容性も良好であった。





by otowelt | 2023-03-29 00:48 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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