CAPE COD研究:重症市中肺炎に対する全身性ステロイドは死亡リスクを低下

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先日のCHEST誌のメタアナリシスに関しても、色々な見解をセミナー等でお見かけしましたが、このCAPE COD研究は実臨床医の実感に近いと思います。重症市中肺炎に対する全身性ステロイドに関してはプロコンがありましたが、死亡リスクを減少させるという結論になっております。

この研究、プラセボ群で観察された死亡率が11.9%とかなり低かったので、重症肺炎よりももう少し軽いフェーズでもステロイドが有効であることを示唆しているのかもしれません。



■ステロイドの抗炎症作用と免疫調節作用が、重症市中肺炎患者の死亡率を低下させるかどうか不明である。

■この第3相多施設共同二重盲検ランダム化比較試験において、重症市中肺炎(例:IPPV、HFNC、NIV、FiO2 >0.50、PSI>130)でICUに入室したフランスの 31施設の成人を、ヒドロコルチゾンの静脈内投与(200mg/日を4日間 or 8日間[4日目時点で延長投与を臨床医が決定] → 漸減しICU退室時にはゼロへ)またはプラセボ(生理食塩水)投与に割り付けた。インフルエンザ症例、DNAR症例、敗血症性ショックは除外された。

■主要評価項目は、28日目までの全死因死亡とした。副次的アウトカムは、90日目までの全死因死亡、ICU滞在期間、IPPV、28日までの血管作動薬、28日までの人工呼吸器非装着期間、血管作動薬非使用期間、P/F比、SOFA変化、SF-36変化とした。

■2回目の中間解析の後に試験が早期中止され、この時点で合計800人の患者がランダム化を受けていた。795人の患者のデータが分析された。28日目までに、ヒドロコルチゾン群では400人中25人(6.2%;95%信頼区間3.9~8.6)、 プラセボ群では395人中47人 (11.9%;95%信頼区間8.7~15.1) が死亡した(絶対差-5.6%ポイント; 95%信頼区間-9.6~-1.7; P=0.006 )。人工呼吸管理はヒドロコルチゾン群で222例中40例(18.0%)、プラセボ群では220例中65例(29.5%)に実施された(ハザード比 0.59; 95%信頼区間0.40~0.86 )。ベースライン時に血管作動薬を投与されていなかった患者において、28日目までに投与開始されたのは、ヒドロコルチゾン群で359例中55例(15.3%)、プラセボ群では344例中86例(25.0%)だった(ハザード比 0.59;95%信頼区間0.43~0.82 )。院内感染と消化管出血の頻度は両群で同等だった。ヒドロコルチゾン群の患者は、治療開始後1週間はインスリンの1日投与量が多かった。

■ICU入室を要する重症市中肺炎において、ヒドロコルチゾンはプラセボ投与に比べて28日目までに死亡するリスクが低い。





by otowelt | 2023-03-22 00:04 | 集中治療

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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