ボリコナゾールの血中濃度はCRPによって変動する
2023年 03月 31日
CRPの高い症例ではVRCZ血中濃度が高くなるというのは、呼吸器科領域では有名な知見ですが、それをしっかりと検証した論文です。
Miyakawa-Tanaka K, et al. Positive correlation between voriconazole trough concentrations and C-reactive protein levels in patients with chronic pulmonary aspergillosis: A retrospective cohort study. J Infect Chemother. 2023 Mar 23;S1341-321X(23)00073-9.
- 概要
■ボリコナゾール(VRCZ)は慢性肺アスペルギルス症(CPA)に対する第一選択薬である。VRCZの濃度は大きく変動するため、適切な治療のためにはVRCZの血中トラフ濃度の測定が推奨される。しかし、同一患者における異なる時点でのVRCZ濃度の変動に関連する因子は特定されていない。この研究の目的は、VRCZの血中トラフ濃度に影響を与える因子を特定することである。
■2014年4月~2016年8月にかけて実施された単施設後ろ向き研究において、VRCZを投与されたCPA患者を研究対象とした。患者の血中トラフ濃度は、同一投与経路で同用量を投与されている間に2回以上測定した(1シリーズと定義)。ステップワイズおよび重回帰分析を用いて、VRCZのトラフ濃度に対する患者特性の影響を検証した。
■49例の患者における69シリーズを解析した。VRCZは59シリーズで経口投与、7シリーズで静脈内投与、3シリーズでドライシロップで投与されていた。VRCZの血中トラフ濃度の中央値は1.68μg/ml、VRCZ濃度の変動幅の中央値は0.99μg/mlだった。単回帰分析では、クレアチニン、ALP、CRP、CcrがVRCZ濃度と有意に相関していた。重回帰分析では、CRPとVRCZ濃度の間に有意な正の相関があることが示された(P < 0.0001)。
■2014年4月~2016年8月にかけて実施された単施設後ろ向き研究において、VRCZを投与されたCPA患者を研究対象とした。患者の血中トラフ濃度は、同一投与経路で同用量を投与されている間に2回以上測定した(1シリーズと定義)。ステップワイズおよび重回帰分析を用いて、VRCZのトラフ濃度に対する患者特性の影響を検証した。
■49例の患者における69シリーズを解析した。VRCZは59シリーズで経口投与、7シリーズで静脈内投与、3シリーズでドライシロップで投与されていた。VRCZの血中トラフ濃度の中央値は1.68μg/ml、VRCZ濃度の変動幅の中央値は0.99μg/mlだった。単回帰分析では、クレアチニン、ALP、CRP、CcrがVRCZ濃度と有意に相関していた。重回帰分析では、CRPとVRCZ濃度の間に有意な正の相関があることが示された(P < 0.0001)。
by otowelt
| 2023-03-31 00:41
| 感染症全般