感受性結核に対するファロペネム含有レジメンの有効性

ブロスミックRGMでちょっと抗酸菌診療医に疑義がついたファロペネムですが、もともと抗酸菌症に対して有効とされており、これを結核に用いたらどうなるかというランダム化比較試験です。

感受性結核と分かっている場合に限ってですが、HRに追加する薬剤はそこまで重要ではないため、これがファロペネムでなくても、非劣性になったかもしれません。




■ファロペネムはin vitroで抗結核活性を有するが、結核患者の治療における有用性は不明である。

■われわれは中国において、新たに薬剤感受性肺結核と診断された患者を対象に、非盲検ランダム化試験を実施した。対照群では、標準6か月レジメンで治療した。介入群は、エタンブトールをファロペネムに置き換えて2か月間治療した。主要評価項目は、6か月治療による治療成功率だった。非劣性マージンは10%である。

■227例が介入群と対照群に1:1の割合で登録された。参加者のベースライン特性は両群で同様であった。修正ITT集団では、ファロペネム群の88.18%が治療成功、対照群の85.98%が治療成功で、その差は2.2%(95%信頼区間-6.73~11.13 )だった。per protocol集団では、治療成功率はファロペネム群96.04%、対照群95.83%で、その差は2.1%(95%信頼区間-5.31~5.72 )だった。ファロペネム群は、6か月間標準レジメンに対して非劣性を示した。ファロペネム群は有害事象が有意に少なかった(p<0.01)。

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. 喀痰のアウトカム(文献より引用)





by otowelt | 2023-04-23 00:27 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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