COVID-19と自己免疫疾患のリスク

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COVID-19は、様々な自己免疫疾患のリスクと関連していることが大規模な後ろ向きデータで示されました。




Chang R, et al. Risk of autoimmune diseases in patients with COVID-19: A retrospective cohort study. EClinicalMedicine. 2023 Feb;56:101783.

  • 概要
■COVID-19後に様々な自己免疫疾患が発生したという症例報告が増えているが、関連性を裏付ける大規模な集団ベースのエビデンスは存在しない。本研究では、COVID-19と自己免疫疾患との関連について調べた。

■TriNetX U.S. Collaborative Networkの後ろ向き・コホート研究である。test-negative designにおいて、SARS-CoV-2のPCR陽性の参加者が症例定義に該当し、対照は検査陰性で追跡期間中COVID-19と診断されなかった参加者である。COVID-19患者と対照群は、年齢、性別、人種、社会経済的状況、ライフスタイル関連変数、併存疾患について1:1の傾向スコアマッチした。

■主要評価項目は、新たに記録された自己免疫疾患の発生率である。傾向スコアでマッチさせた群間で、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて自己免疫疾患の調整ハザード比と95%信頼区間を算出した。

■2020年1月1日から2021年12月31日の間に、381万4,479人の参加者が本研究に含まれた(88万8,463人のCOVID-19症例と292万6,016人の対照群)。傾向スコアマッチ後、COVID-19群では、関節リウマチ(補正ハザード比2.98、95%信頼区間2.78-3.20)、強直性脊椎炎(補正ハザード比3.21、95%信頼区間2.50-4.13)、全身性エリテマトーデス(補正ハザード比2. 99、95%信頼区間2.68-3.34)、皮膚筋炎/多発性筋炎(補正ハザード比1.96、95%信頼区間1.47-2.61 )、全身性強皮症(補正ハザード比2.58、95%信頼区間2.02-3.28 )、シェーグレン症候群(補正ハザード比2.62、95%信頼区間2.29-3.00 )、混合性結合組織病(補正ハザード比3.14、95%信頼区間2.26-4.36)、ベーチェット病(補正ハザード比2.32、95%信頼区間1.38-3.89) 、リウマチ性多発筋痛(補正ハザード比2.90、95%信頼区間2.36-3.57) 、血管炎(補正ハザード比1.96、95%信頼区間1.74-2.20 )、 乾癬(補正ハザード比2.91,95%信頼区間2.67-3. 17)、炎症性腸疾患(補正ハザード比1.78, 95%信頼区間1.72-1.84) 、セリアック病(補正ハザード比2.68, 95%信頼区間2.51-2.85) 、1型糖尿病(補正ハザード比2.68, 95%信頼区間2.51-2.85) 、死亡(補正ハザード比1.20, 95%信頼区間1.16-1.24) 。





by otowelt | 2023-04-18 01:36 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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