肺炎入院例のその後の再発リスク因子は?
2023年 05月 18日
一般的に高齢者、免疫抑制状態、男性などは肺炎再発のリスク因子とされています。この報告では、睡眠導入剤が1つのリスク因子として指摘されています。最近はベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤を用いることはかなり減りましたね。
Takada K, et al. Risk factors and interventions for developing recurrent pneumonia in older adults. ERJ Open Res. 2023 May 2;9(3):00516-2022.
- 概要
■肺炎は高齢者によくみられ、再発することが多い。肺炎のリスク因子に関する研究はいくつかあるが、肺炎の再発のリスク因子に関してはよくわかっていない。本研究では、高齢者における肺炎再発のリスク因子を特定し、予防法を調査することを目的とした。
■2014年6月から2017年5月までに肺炎のため入院した256人の患者のデータを分析し、その後3年間の診療録を調査して、肺炎による再入院を肺炎再発と定義した。再発のリスク因子は多変量ロジスティック回帰分析を用いて分析した。また、睡眠導入剤の種類と使用に基づく再発率の違いも評価した。
■256人中90人(35.2%)が肺炎の再発を経験した。低BMI(オッズ比0.91、95%信頼区間0.83〜0.99)、肺炎の既往(オッズ比2.71、95%信頼区間1.23〜6.13)、共存症としての呼吸器疾患(オッズ比4.73、95%信頼区間2.13〜11.60)、睡眠導入剤の使用(オッズ比2.16、95%信頼区間1.18〜4.01)、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の使用(オッズ比2.38、95%信頼区間1.07〜5.39)がリスク因子であった。ベンゾジアゼピンを睡眠導入剤として使用している患者は、睡眠導入剤を使用していない患者に比べて肺炎再発を経験する可能性が高かった(オッズ比2.29、95%信頼区間1.25〜4.18)。
by otowelt
| 2023-05-18 01:07
| 感染症全般