縦隔リンパ節腫大とPPF

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そういえば、雑多な吸入抗原によって縦隔リンパ節が反応性に腫大しやすい・肺が線維化しやすいという宿主側の要因をみているという話がありましたね。この反応は人によって異なるのではないかという。




Zhai L, et al. Mediastinal lymph node enlargement predicts progressive pulmonary fibrosis. Int J Tuberc Lung Dis . 2023 May 1;27(5):395-400.

  • 概要
■本研究は、縦隔リンパ節腫大(MLNE)が進行性肺線維症(PPF)を予測するかどうかを明らかにするためにおこなわれた。

■MLNEは313人(39.1%)のILD患者に存在し、MLNEを持たないILD患者よりも高い総線維化スコアおよび死亡リスクと関連していた。PPFのリスク因子は、非PPFと比較して、年齢(オッズ比1.044, 95%信頼区間1.020-1.069; P < 0.001)、線維化の範囲(オッズ比1.396, 95%信頼区間1.116-1.746; P = 0.003)、MLNE(オッズ比2.130, 95%信頼区間1.362-3.332; P = 0.001 )だった。多変量解析では、年齢、LDH、MLNE、総線維化スコア、肺動脈収縮期圧がILD患者のリスク・予後因子であることが示された。

■PPFに限らず、IPF患者においても、このモデルはrobustであった。しかし、他のILDサブグループに共通するリスク・予後因子は、総線維化スコアのみであった:






by otowelt | 2023-05-25 00:23 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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