GERDがIPFのリスクなのか?IPFがGERDのリスクなのか?
2023年 06月 12日
イギリスからの報告の場合、GERDがGORDになるのでこの論文はGORDになっています。
メンデルランダム化は、曝露因子と因果関係を有するものの交絡因子とはその関係がない遺伝子多型などを用いて、曝露群と非曝露群において「疑似的なランダム化」を実現するという手法です。観察研究なのですが、因果関係も議論がワンステップ高い水準で可能ということです。双方向で実施することで「疾患におけるニワトリと卵問題」の解決の助けとなります。
- 概要
■GERDは、観察研究においてIPFと関連している。この関連は、GERDがIPFを引き起こすのか、IPFがGERDを引き起こすのか、あるいはGERDとIPFの両方に関連する喫煙などの交絡因子に由来するのかはよく分かっていない。交絡や逆因果の問題に対処するため、遺伝子変異を操作変数として使用する双方向メンデルランダム化(MR)を用いた。
■現在入手可能な最大のGERD(78707例、コントロール288734例)およびIPF(4125例、コントロール20464例)のゲノムワイド関連メタアナリシスからのデータを用いて、GERDがIPFリスクに、IPFがGERDリスクに及ぼす因果関係を推定するために、双方向MRがおこなわれた。
■GERDはIPFのリスクを高めた(オッズ比1.6、95%信頼区間1.04-2.49; p=0.032)。反面、IPFがGERDのリスクに因果関係を示すエビデンスはなかった(オッズ比0.999、95%信頼区間0.997-1.000; p=0.245)。
by otowelt
| 2023-06-12 00:00
| びまん性肺疾患