レジオネラ肺炎の死亡率が増加

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どの感染症でも注意が必要ですが、COVID-19にリソースを割きすぎて、そのほかの疾患のアウトカムが不良に陥るという構図が見えますね。

今日は、Respiratory InvestigationのRapid Communicationから。



Yamasue M, et al. Rebound mortality rate of Legionella pneumonia in Japan. Respir Investig. 2023 May 18;61(4):487-489.


■厚生労働省の人口動態統計データベースのデータを用いて、レジオネラ症の発症率および死亡率を抽出した。これらのデータセットを用いて、死亡率を算出した。

■日本において、特に2005年以降、レジオネラ症の発生率は著しく増加している。レジオネラ症の発生率は、COVID-19以降高い水準にある。レジオネラ症の死亡率は1999年に約20%であったが、2005年には5%未満、2018年には2.4%と徐々に減少していた。しかしながら、COVID-19パンデミック以降、レジオネラ肺炎の死亡率は微増傾向にあることが示された(2019年3.0%、2020年3.7%、2021年3.9%)。

■この理由は?
①レジオネラ症患者の高齢者割合が増加したことが影響
②パンデミック以降、医師の認知バイアスによってレジオネラ肺炎の診断が遅れている可能性(発熱患者がCOVID-19であるかどうかに注力され、レジオネラ症を含む他の感染症を見落としてしまった)






by otowelt | 2023-06-07 12:26 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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