COVID-OUT研究:メトホルミンが新型コロナ罹患後症状リスクを減少
2023年 06月 14日
Yahoo!ニュース記事にも書かせていただきました。ニュースのほうでは敢えてイベルメクチンには触れませんでした。
■新型コロナ後遺症を約4割減らす薬剤が同定 メカニズムは?
(URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20230614-00353739)
(URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20230614-00353739)
- 概要
■COVID-19罹患後症状(後遺症、Long COVID)は、何百万人もの人々に影響を及ぼす可能性のある慢性疾患に位置付けられている。われわれは、SARS-CoV-2感染直後にメトホルミン、イベルメクチン、フルボキサミンによる外来COVID-19治療が、Long COVIDのリスクを低減できるかどうかを評価することを目的とした。
■アメリカの6施設で分散型ランダム化四重盲検並行群間第3相試験(COVID-OUT)を実施した。COVID-19の症状が7日未満で、登録前3日以内にSARS-CoV-2のPCRまたは抗原検査が陽性であることが証明された、30~85歳の過体重または肥満の成人を対象とした。糖尿病のない患者も対象に含まれた。
■参加者は、メトホルミン+イベルメクチン、メトホルミン+フルボキサミン、メトホルミン+プラセボ、イベルメクチン+プラセボ、フルボキサミン+プラセボ、プラセボ+プラセボにランダムに割り付けられた。参加者、治験責任医師、医療従事者、アウトカム評価者は、試験群の割り付けに関して盲検化されていた。
■主要評価項目は14日目までの重症COVID-19で、これらのデータはすでに発表されている。医療従事者によるLong COVID診断は、事前に規定された長期的副次的アウトカムである。
■2020年12月30日から2022年1月28日の間に、6602人が適格性を評価され、1431人が登録され、ランダム化された。修正ITT集団に含まれた1323人のうち、1126人が長期追跡に同意し、180日目のLong COVIDの評価後に少なくとも1回の調査を完了した(564人がメトホルミン、562人がプラセボを投与、メトホルミン vs プラセボのサブセットでイベルメクチンとフルボキサミンのランダム化も行われた)。 1126人中1074人(95%)が少なくとも9か月間の追跡を完了した。1126人中632人(56.1%)が女性でそのうち7.0%が妊娠していた。年齢中央値は45歳(IQR 37-54)、BMI中央値は29.8kg/m2(IQR 27-0-34-2)であった。
■全体では、1126人中93人(8.3%)が300日目までにLong COVIDと診断された。300日目までのLong COVIDの累積発生率は、メトホルミン投与群で6.3%(95%信頼区間4.2-8.2)、プラセボ投与群では10.4%(7.8-12.9)だった(ハザード比0.59, 95%信頼区間0.39-0.89; p=0.012 )。メトホルミンの効果は、事前に規定されたサブグループ間で一貫していた。メトホルミンが症状発現から3日以内に開始された場合、ハザード比は0.37(95%信頼区間0.15-0.95)であった。
■イベルメクチン(ハザード比0.99、95%信頼区間0.59-1.64)またはフルボキサミン(1.36、0.78-2.34)は、プラセボと比較して、Long COVIDの累積発生率に影響を与えなかった。
by otowelt
| 2023-06-14 07:52
| 感染症全般










