メタアナリシス:侵襲性真菌感染症に対するイサブコナゾール
2023年 06月 16日
イサブコナゾールは既存の治療薬に遜色ない効果が得られ、安全性プロファイルが良好という点が魅力です。高齢者に対しても安全性が示されています(Sci Rep. 2023 Apr 25;13(1):6730.)。
しかし残念なことに、想定を上回るクレセンバの受注ということで、すでに処方されている患者さん以外の処方は厳しい状況という通達が出ています。
Kato H, et al. A systematic review and meta-analysis of efficacy and safety of isavuconazole for the treatment and prophylaxis of invasive fungal infections. Mycoses. 2023 Jun 10. doi: 10.1111/myc.13622.
- 概要
■イサブコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬である。このメタアナリシスでは、侵襲性真菌感染症(IFI)の治療および予防に対するイサブコナゾールの有効性と安全性を、他の抗真菌薬(アムホテリシンB、ボリコナゾール、ポサコナゾール)と比較検証した。
■Scopus、EMBASE、PubMed、CINAHL、医中誌の各データベースで、2023年2月までに基準を満たした関連論文を検索した。死亡率、IFIの発生割合、抗真菌薬治療の中止率、肝機能障害の発生率を評価した。中止率は、有害事象による治療中止の割合と定義した。対照群には、他の抗真菌剤を投与された患者を含めた。
■スクリーニングのために特定された1784の引用文献のうち、10件の研究が登録され、全体の総患者数は3037人であった。イサブコナゾールは、IFI治療において死亡リスクは対照群と同等だった(オッズ比1.11、95%信頼区間0.82-1.51)。また、IFI発症予防効果も同等だった(オッズ比1.02、95%信頼区間0.49-2.12)。
■スクリーニングのために特定された1784の引用文献のうち、10件の研究が登録され、全体の総患者数は3037人であった。イサブコナゾールは、IFI治療において死亡リスクは対照群と同等だった(オッズ比1.11、95%信頼区間0.82-1.51)。また、IFI発症予防効果も同等だった(オッズ比1.02、95%信頼区間0.49-2.12)。
■イサブコナゾールは、対照群と比較して、治療における投与中止率(オッズ比1.96,95%信頼区間1.26-3.07)、肝機能障害の発生率を有意に低下させた(IFI治療:オッズ比2.31,95%信頼区間1.41-3.78;IFI予防:オッズ比3.63、95%信頼区間1.31-10.05 )。
by otowelt
| 2023-06-16 00:31
| 感染症全般