肺MAC症におけるmicrobiological cureと長期予後

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Joong-Yub Kim先生すごいですね。CHESTやCIDにがんがんアクセプトされていますが、再びCHEST。microbiological cureと予後の話です。このブログを書いていたら、JICにも論文が最近投稿されているのを見つけました。すごい熱量です。


Kim JY, et al. Microbiological cure at treatment completion is associated with longer survival in patients with Mycobacterium avium complex pulmonary disease. Chest, https://doi.org/10.1016/j.chest.2023.06.015.

  • 概要
■肺MAC症においてmicrobiological cure(微生物学的治癒)は抗菌薬治療の主要エンドポイントとして広く用いられているが、予後に対する長期的影響は不明である。治療終了時にmicrobiological cureが得られている患者は、そうでない患者よりも生存期間が長いのかどうか調べた。

■2008年1月から2021年5月までの間に、3次紹介施設でMACに感染し、ガイドラインに従ってマクロライドベースのレジメンによる治療を12か月以上受けた肺NTM症診断基準を満たす成人患者を後ろ向きに解析した。4週間以上の間隔をおいて連続3回以上の培養陰性が得られ
(culture conversion)、その後治療終了時点で培養が陽性になっていないものをmicrobiological cureと定義した。microbiological cureが全死因死亡に及ぼす影響を評価するために、年齢、性別、BMI、空洞性病変の有無、ESR、基礎疾患について調整した多変量Cox比例ハザード回帰分析を実施した。

■登録された382例のうち、236例(61.8%)が治療終了時にmicrobiological cureを達成した。これらの患者は、microbiological cureが得られなかった患者よりも若く、ESRが低く、4種類以上の薬剤を使用している割合が低く、治療期間が短かった。治療終了後3.2年(IQR:1.4~5.4)の追跡期間中央値において、53例が死亡した。microbiological cureは、主要臨床因子で調整した後、死亡率の低下と有意に関連していた(調整ハザード比0.52、95%信頼区間0.28-0.94)。microbiological cureと死亡との関連は、治療期間が12か月未満の全患者を対象とした感度分析でも維持された。





by otowelt | 2023-07-01 13:08 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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