特発性器質化肺炎はCRPが低いと自然軽快しやすい?
2023年 07月 09日
原著論文KOL、下田先生の論文が再びパブリッシュされました。今回はCOPについてです。
Shimoda M, et al. Spontaneous resolution of cryptogenic organizing pneumonia: Observational study. Medicine (Baltimore). 2023 Jul 7;102(27):e34277.
- 概要
■特発性器質化肺炎(COP)は一般にステロイド療法を必要とする特発性間質性肺炎であり、軽症の患者では自然治癒が報告されている。しかし、COP治療の必要性を支持するエビデンスは乏しい。
■2016年5月から2022年6月までに、複十字病院で気管支鏡検査を行いCOPと診断された症例を後ろ向きに収集した。ステロイド治療なしで改善した16例(自然消失群)とステロイド治療を要した24例(ステロイド治療群)を比較した。
■自然軽快群の患者は、血清CRPが低く(中央値0.93mg/dL[IQR0.46-1.91] vs 中央値10.42mg/dL[4.82-16.7]、P < 0.001)、リンパ球比率が高く(中央値21. 7%[18.2-25.2]vs 中央値13.3%[8.8-19.8]、P = 0.002)、症状発現からCOPと診断されるまでの期間(中央値51.5日[24.5-65.3]vs 23.0日[17.3-31.8]、P = 0.009)がステロイド治療群より有意に長かった。
■2週間以内に、自然治癒群ではすべての患者で症状の緩和とX線所見の改善が確認された。CRPのROC曲線下面積は0.859(95%信頼区間0.741-0.978)であった。CRP値3.79mg/dLをカットオフ値にしたところ、感度、特異度、オッズ比はそれぞれ73.9%、93.8%、39.8(95%信頼区間4.51-1968.9)であった。
■自然軽快群では1例のみが再発を認めたが、ステロイド治療を必要としなかった。逆にステロイド治療群では4例に再発がみられ、ステロイドの追加投与が行われた。
by otowelt
| 2023-07-09 01:45
| びまん性肺疾患