肺Mycobacterium abscessus症に対するアミカシンリポソーム吸入懸濁液(ALIS)

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Mycobacterium abscessus症に対するアリケイスは2021年に韓国サムスンメディカルセンターから後ろ向き観察研究の報告があり、subspecies massilienseのほうで高い微生物学的治癒が得られています(Chest. 2021 Feb 20;S0012-3692(21)00290-7.)。

まだ全文読めていないので、速報的なお届け記事にしました。というか、私があとで読むためのメモ用の記事と思ってください。






  • 概要
M. abscessusは、肺NTM症の中で2番目に多い病原菌であり、ほぼすべての経口抗菌薬に対してin vitroで耐性を示す。マクロライド耐性が存在する場合、治療成功率は低い。

■アミカシンリポソーム吸入懸濁液(ALIS)による治療は、治療抵抗性および治療未治療の肺MABS症の培養陰性化を改善するかどうか調べた。

■非盲検プロトコールにおいて、患者には多剤併用治療にALIS(590mg)を12か月間追加した。主要評価項目は喀痰の培養陰性化とした(3か月維持)。副次的評価項目にアミカシン耐性をみた。

■ALISを開始した平均年齢64歳(範囲:14~81歳)の患者33例(分離株36株)のうち、24例(73%)が女性、10例(30%)が嚢胞性線維症、9例(27%)が空洞を有していた。3例(9%)は早期離脱のため、微生物学的エンドポイントを評価できなかった。治療前の分離株はすべてアミカシン感受性であり、マクロライド感受性はわずか6株(17%)であった。11例(33%)に非経口抗生物質が投与された。12例(40%)にはアジスロマイシンと併用または非併用でクロファジミンが投与された。

■縦断的な微生物学的データが評価可能な15例(50%)が培養陰性化を達成し、10例(67%)が12か月目まで転換を維持した。33例中6例(18%)が変異型のアミカシン耐性を示した。全例がクロファジミンまたはクロファジミン+アジスロマイシンを併用薬として使用していた患者であった。ALIS使用者に重篤な有害事象はほとんど発生しなかったが、週3回投与への減量が一般的であった(52%)。

■マクロライド耐性MABS症の患者コホートにおいて、ALISを使用した患者の半数が喀痰が培養陰性化した。変異型アミカシン耐性の出現は珍しいことではなく、特にクロファジミンの使用例で発生した。






by otowelt | 2023-07-09 10:02 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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