ILDにおけるTBLCとSLB検体の一致率


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TBLCとSLBのconcordanceについてです。TBLCの標的部位は胸膜から約1cmの近位肺組織を採取しますが、SLBの場合は末梢肺組織になります。採取部位が違うという差はあります。



Baba T, et al. Concordance between transbronchial lung cryobiopsy and surgical lung biopsy for interstitial lung disease in the same patients. BMC Pulm Med . 2023 Jul 29;23(1):279.

  • 概要
■同一患者において、鎮静下で軟性気管支鏡を用いたTBLCの診断精度と安全性をSLBと比較できるのかどうか、不明である。

■TBLC後にSLBをおこなったILD患者52例(年齢中央値:63.5歳、自己抗体陽性21例、TBLCからSLBまでの期間中央値:57日)のデータを後ろ向きに収集した。TBLCとSLBのサンプルは、2つの関係をブラインドするためにランダムにラベル付けされた。診断は病理医、放射線科医、呼吸器専門医がそれぞれ独立に段階的に行い、最終診断はMDDで行われた。各診断ステップにおいて、具体的な診断名、診断信頼度、IPF診断ガイドライン基準、治療方針が記録された。

■臨床情報とX線情報がない場合、TBLCとSLBによる組織診断の一致率は42.3%であった(κ=0.23、95%信頼区間0.08-0.39)。しかし、2つの生検法によるTBLC-MDD診断とSLB-MDD診断およびIPF/非IPF診断の一致率は、それぞれ65.4%(κ = 0.57、95%信頼区間0.42-0.73)および90.4%(47/52)であった。

■TBLC-MDDで高信頼性または確定診断と診断された38例(73.1%)のうち、29例でSLB-MDDの診断が一致し(一致率76.3%、κ=0.71、95%信頼区間0.55-0.87)、IPF/非IPF診断の一致率は97.4%(37/38)であった。

■病理診断を追加することにより、臨床診断の観察者間一致率は、TBLCではκ=0.22からκ=0.42に、SLBではκ=0.27からκ=0.38に改善し、高信頼性または確定診断の有病率は、それぞれ23.0%から73.0%に、17.3%から73.0%に改善した。同期間に実施されたTBLC全383例のうち、気胸は5.0%に発生し、重篤な出血、間質性肺疾患の急性増悪、致命的な事象は観察されなかった。





by otowelt | 2023-08-12 00:54 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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