COPD増悪のRome分類は有用か?


COPD増悪の新しい基準としてRome proposalがGOLD2023に記載されたことは記憶に新しいです。Rome proposalは2021年のブルージャーナルの報告に基づくものです(Am J Repir Crit Care Med. 2021; 204(11): 1251-8)。

国際的に使われていくことになりますが、日本語訳は無難に「Rome分類」「Rome基準」あたりに落ち着くかもしれませんね。このブログでは、以下Rome分類としておきます。

GOLD2023については、日経メディカルの私の連載を参照ください。

■COPD国際ガイドライン「GOLD2023」を読み解く(前編)(URL:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kurahara/202302/578389.html
■COPD国際ガイドライン「GOLD2023」を読み解く(後編)(URL:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kurahara/202302/578391.html

COPD増悪のRome分類は有用か?_e0156318_15392636.png
. Rome分類(Am J Repir Crit Care Med. 2021; 204(11): 1251-8)

今回紹介するCHESTの報告では、後ろ向きにRome分類を検討しています。軽症がKaplan-Meier曲線の上のほうを走っていて、3年時点では中等症と重症ではほとんど重なっていますね。1年時点では分かりやすい感じに分かれていると思います。増悪歴や年齢などの背景因子を入れるとよい気もしますが。



Crisafulli E, et al. Association between Rome classification among hospitalised patients with chronic obstructive pulmonary disease exacerbations and short and intermediate-term outcomes. Chest. 2023 Jul 27;S0012-3692(23)01056-5

  • 概要
■COPD増悪のRome分類のような重症度分類は、中期的な臨床的妥当性をまだ示せていない。Rome分類と短期および中期の臨床アウトカムの関連を調べた。

■COPD増悪で入院した患者をRome分類(軽症、中等症、重症)に従って後ろ向きに分類した。患者背景、臨床データ、微生物学的データ、血液ガス分析値、検査値などを収集した。さらに、入院期間および死亡率(院内および6か月~3年までの追跡期間)に関するデータを評価した。

■入院患者347例をRome分類に分けたところ、39%が軽症、31%が中等症、30%が重症であった。全体的に重症患者は入院期間が延長していた。院内死亡率は各群で同程度であったが、重症患者はすべての追跡時点で予後不良であった。Kaplan-Meier曲線は1年と3年の累積生存率において重症度分類の機能を果たしていた(Gehan-Breslow-Wilcoxon検定P=0.032、P=0.004)。多変量Cox回帰分析では、軽症と比較して、重症度(ハザード比1.99、95%信頼区間1.49~2.65)や中等症(ハザード比1.47、95%信頼区間1.10~1.97)の患者では1年後の死亡リスクが高いことが示された。80歳以上の高齢者、長期酸素療法を必要とする患者、COPD増悪の既往がある患者では死亡リスクが高かった。BMIが25~29の患者は死亡の低リスクと関連していた。





by otowelt | 2023-08-07 00:22 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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