COPDに対するICSはCOVID-19を予防する?

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COVID-19の初期ではパルミコートがよく使われていましたが、その後はるかに有効な抗ウイルス薬が登場したことから、現在は用いられていません。

■参考記事:
・COVID-19:STOIC試験:ブデソニド(パルミコート)は軽症例において効果あり?https://pulmonary.exblog.jp/29480519/
・COVID-19:PRINCIPLE研究:ブデソニドはハイリスク症例に対して回復までの時間を改善https://pulmonary.exblog.jp/29629531/
・フルボキサミン+ブデソニド吸入でCOVID-19重症化リスク半減https://pulmonary.exblog.jp/30319926/



Labor M, et al. Regular Inhaled Corticosteroids Use May Protect Against Severe COVID-19 Outcome in COPD. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis . 2023 Aug 7;18:1701-1712.

  • 概要
■COPD患者においてICSがCOVID-19のアウトカムにどのような影響を及ぼすかについて、集団ベースにおける研究では相反するエビデンスが得られている。SARS-CoV-2感染において、ICSの定期的投与がリスク、重症度、生存アウトカムに影響を及ぼすかどうかを、スウェーデンのデータベースを用いて調査した。

■2020年1月から12月にかけて、スウェーデンの2つの成人集団(全人口[40歳以上](N=524万3479)、COPDサブグループ[40歳以上](N=13万3372))を、3つの研究コホートで調査した(全体コホート、COVID-19診断コホート、COVID-19入院サブコホート)。
定期的なICS曝露は、指標前の1年間に3回以上のICS処方と定義した。ICS曝露に関連するアウトカム(COVID-19発症、入院、ICU入室、死亡)のハザード比をCox回帰を用いて推定した。交絡因子は、Average Treatment effect in the Treated(ATT)重み付けを適用した傾向スコア法で調整した。

■ICSの定期使用は、全体コホートおよびCOPDサブコホートでは、COVID-19の発症、入院、ICU入室、死亡のごくわずかな増加に関連したが、ICU入室については関連がなかった。COVID-19診断コホートにおいては、明確なリスク増加はみられなかった。しかし、COVID-19入院COPDサブコホートでは、ICSはICU入室および死亡へに対するリスクを減少させた(ハザード比0.82 95%信頼区間0.67-0.99)。





by otowelt | 2023-09-02 00:41 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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