COVID-19後遺症としての肺線維症に対するピルフェニドン

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個人的には、PASCとしてILDを残しても、かなりの部分が改善する上、進行性の病態ではない点から、IPFほど懸念する病態ではないと考えています。にしても、ニンテダニブの効果はどうなのか、など気になる点はありますね。



Sansores RH, et al. Prolonged-release pirfenidone in patients with pulmonary fibrosis as a phenotype of post-acute sequelae of COVID-19 pneumonia. Safety and efficacy. Respir Med. 2023 Oct;217:107362. doi: 10.1016/j.rmed.2023.107362.

  • 概要
■COVID-19のPASCの懸念事項は肺線維症の発症であり、これに対する薬物治療は存在しない。したがって、この非盲検試験の主な目的は、PASC-肺線維症患者におけるピルフェニドンの安全性と潜在的な臨床効果を評価することである。

■PASC-肺線維症患者にピルフェニドン1800mg/日(朝食後に1200mg、夕食後に600mg)を3か月間投与した。ピルフェニドンの薬物動態を確認するために採血を行い、有害事象は簡単な質問票を用いて毎月評価した。症状、呼吸困難、肺機能検査(スパイロメトリー、FeNO、プレチスモグラフィー、6MWT)は、ベースライン時、ピルフェニドン投与開始1か月後、3か月後に評価した。

■軽度から中等度の肺機能制限を有する70人の被験者が組み入れられた。最も多かった有害事象は、下痢(23%)、胸やけ(23%)、頭痛(16%)であり、これらについては薬物療法の変更は必要なかった。登録後30日以内に2例が死亡し、3例が試験の継続を断念したが、これらはピルフェニドンとは無関係であった。肺機能検査、6MWT、呼吸困難、症状、胸部CT所見はピルフェニドン3か月投与で有意に改善した。





by otowelt | 2023-09-05 02:05 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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