メタアナリシス:気管支肺胞洗浄液中のアスペルギルスガラクトマンナン抗原

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GM単独での診断は差し控えるべきでしょうが、BALFにおける特異度はそれなりに高いので、確定診断には有用な検査だと思います。




de Oliveira VF, et al. Systematic review and meta-analysis of galactomannan antigen testing in serum and bronchoalveolar lavage for the diagnosis of chronic pulmonary aspergillosis: defining a cutoff. Eur J Clin Microbiol Infect Dis. 2023 Sep;42(9):1047-1054.

■慢性肺アスペルギルス症(CPA)に対するガラクトマンナン(GM)の明確なカットオフ値は確立されておらず、侵襲性肺アスペルギルス症のデータから外挿されることが多い。我々は、血清およびBALFのGM診断能を評価し、カットオフ値を提案するために、システマティックレビューおよびメタアナリシスを行った。

■真陽性、偽陽性、真陰性、偽陰性に関連する血清・BALF GMのカットオフ値を研究から抽出した。マルチカットオフモデルとノンパラメトリックランダム効果モデルを用いた。血清およびBALFにおけるGMの最適カットオフ値とROC AUCを推定した。

■1999年から2021年までの9件の研究が対象となった。血清GMの最適カットオフは0.96で、感度は0.29(95%信頼区間0.14-0.51)、特異度は0.88(95%信頼区間0.73-0.95)、AUCは0.529だった。ノンパラメトリックROCモデルのAUCは0.631であった。BALF GMのカットオフは0.67で、感度は0.68(95%信頼区間0.51-0.82)、特異度は0.84(95%信頼区間0.70-0.92)、AUCは0.814だった。ノンパラメトリックモデルのAUCは0.789であった。





by otowelt | 2023-09-13 00:09 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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